2017年06月03日

ナチスを想起、改憲へ東京オリ・パラ利用=大野 晃

 安倍首相が「日本で五輪が開催される2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と改憲五輪を明言した。東京五輪開催を道具とする改憲は明確な五輪の政治利用宣言である。政治利 用を厳しく糾弾する五輪憲章違反であり、バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長ら幹部が容認しても、結集する世界スポーツ界に不信と非難が広がり、国内向け宣言とはいえ、海外派 兵の改憲だけに国際的影響も大きく、東京五輪ボイコットを生みかねない。
 安倍首相は、「そもそも」(閣議決定によれば「基本的に」の意)大都市再開発五輪を狙い、東日本大震災と福島原発事故の混乱で政権を奪うと五輪招致で福島第1原発の「汚染水はコント ロールされている」と原発事故隠し五輪を意図し、国内向けには復興五輪を表明。原発事故の深刻さと遅々として進まぬ復興の現実が表面化して批判されると、「共謀罪法がなければ五輪を開 催できない」と共謀罪五輪を持ち出し、ついに改憲五輪に及んだ。安倍首相の一貫した五輪の政治利用は明白である。
 IOCは、多くの国でボイコット論議を呼んだ1936年のベルリン五輪が、ヒトラー政権による侵略ルートを想定した聖火リレーの新設や黒人競技者への侮蔑など侵略準備と差別拡大の五輪開催となったことを大きな教訓に、政治利用を厳しく排除した。第二次大戦後の五輪で、安倍首相ほど露骨に政権による五輪の政治利用を意図した例はない。安倍首相は、あえてヒトラーを真似ているようだ。内外の非難が高まるのは必至である。 日本オリンピック委員会はじめ日本スポーツ界にも動揺が広がる。開催国民の不信でリオデジャネイロ五輪を目前にブラジル大統領が弾劾され、平昌五輪1年前に韓国大統領も弾劾失職した。安倍首相の国民分断で東京五輪も目前の混乱が起きかねない。五輪開催の危機を招く改憲五輪宣言である。
(スポーツジャーナリスト)
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年5月25日号


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