2017年08月11日

《JCJ要請》10日、野田総務相に緊急申し入れ書提出

野田聖子総務相への緊急申し入れ書

政府による放送への介入、干渉を即刻止め、放送の自由と独立を保障する政策を進めるよう求めます

2017年8月10日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)


 第3次安倍改造内閣で総務相に就任された貴職が放送行政を進めるにあたり、政府の介入、干渉により、放送の自由が脅かされている問題について認識を新たにし、放送の自由と独立を保障する政策を進めるよう申し入れます。

 2012年12月に第2次安倍政権が発足して以降、政権及び政権与党による放送への干渉、介入は目に余るものがあり、放送の自由は危機に瀕しています。その最たるものは、貴職前任者の高市早苗前総務相が2016年2月、放送局が政治的な公平性を欠く番組を繰り返し放送した場合、電波停止を命じる可能性に言及した発言です。放送法3条は「放送番組は、法律に定める権限に基づくばあいでなければ、何人からも干渉されない」と定めており、高市氏の発言はこの規定に明確に反します。
 
 政権与党である自民党も、放送局への介入、干渉などを強めています。2014年の衆議院総選挙直前には、自民党が在京テレビキー局に対し選挙報道について「公平中立、公正の確保」を求める文書を直接手交し、圧力をかけました。2015年4月には、自民党-がNHKとテレビ朝日の首脳を党本部に呼びつけ、「クローズアップ現代」(NHK)と「報道ステーション」(テレビ朝日)について、事情聴取を行いました。政権党が個別番組で局首脳を呼び出すのは前代未聞のことで、その萎縮効果ははかりしれません。
 
 こうした異常な事態の下で放送行政の最高責任者に就任した貴職に対し、まず何よりも放送における表現の自由を守る決意を鮮明にすることを求めます。言論と表現の自由を保障することが、民主主義社会を発展させる基本です。貴職は、放送法が1条3項で「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」と定めていることを心に刻みつけ、放送行政を進めていただきたい。
 
 とりわけ、行政による、あるいは政権党による放送の自由への介入、干渉は、民主主義を掘り崩し劣化させる最悪の行為です。貴職は、放送法の精神を逸脱した高市前総務相の発言を取り消すべきです。言論・表現の自由を定めた憲法とは真逆の、誤った行政判断が継続されることは許されません。
 
 放送の在り方を律する放送法、電波法は、放送局の自律と独立を前提にしています。貴職におかれては、放送の自由と独立を確保する政策に専念し、放送番組内容の問題については、BPO(放送倫理番組向上機構)に委ね、政府、政権党の介入、干渉は厳に慎むよう求めます。
posted by JCJ at 10:42 | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする