2017年08月11日

《焦点》 国民投票の費用はどのくらい


 不信感高まる「森友」「加計」両疑惑、自民党が惨敗した都議選、急落する内閣支持率、盛り上がる政権退陣を求めるデモと、安倍首相への風当たりが激しくなってきた。今まで国民の声を無視してきたしっぺ返しをくらっているが、ただし憲法九条を中心とした改憲の意欲は衰えていない。自民党は11月上旬までに改憲原案をまとめ、臨時国会に提出する予定。18年6月に改憲案を発議し、国民に改憲の是非を問う国民投票を実施しようとしている。
 スケジュール通りに行くかどうかはともかく、現実味を帯びてきた国民投票はお金がどのくらいかかるのだろうか。

 10年前の2007年、衆院法制局による試算では、経費は約850億円。内訳は、投票所・開票所の設営・賃貸料が493億円、不在者投票や投票所入場券の郵送費などが224億円、公報発行費66億円、各政党に割り当てられる無料広告肩代わり費18億3000万円などの順だ。

 ところで国民投票の場合、発議後、投票前14日間の有料テレビCM禁止を除く期間は、改憲派と反対派は自由に各メディアに広告を出せる。広告費の上限は国民投票法で定められていない。宣伝効果が大きいテレビCMをメインとしたこの費用は―。「国民投票のルール改善を考え求める会」のメンバーで著述業(元博報堂社員)の本間龍さんがこう言う。

「衆参の両選挙で各政党などがメディアに投じる広告費は約500億円。国民投票では発議後、60日から180日以内に投票が実施される。運動期間によるが、少なくとも500億円の4〜5倍、場合によっては10倍以上の広告費が使われる。資金が豊富な改憲派は絶対有利。だから国民投票のテレビCMを法規制したいが、民放の業界団体は反対。その理由はこの特需≠当て込んでいるからです」

 税金で賄われる経費と、この巨額な広告宣伝費を合わせると膨大な金が国民投票で使われる。国民投票の実施は必要なのか。

橋詰雅博
posted by JCJ at 12:10 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする