2017年10月14日

≪月間マスコミ評・新聞≫日本がどう動いたのか見えない

 核開発やミサイル発射を続ける北朝鮮に対して国連安保理は日本時間9月12日夕、新たな制裁決議を全会一致で採択した。米国は当初の「石油の全面禁輸」から譲歩して中国、ロシアが賛成できる提案になったと報じられた。
 13日朝刊各紙は、このニュースを1面トップで報じ社説でも展開した。この制裁決議について社説では、「決議後の行動が重要だ」(朝日)、「挑発阻止へ結束の維持を」(毎日)、「結束の力を『次の一手』に」(西日本)と確実な実行を促した。読売は「スピード採択で包囲網狭めた」の見出しだが「新たな制裁を徹底して実行せねばならない」と最も強い主張だった。ただ、制裁効果は推測の域を出ていない。

 もう一つ、この間、日本がどう動いたのかが各紙の記事を読んでも見えてこない。北朝鮮のミサイル発射後、核実験後に安倍晋三首相がトランプ米大統領と電話会談した報道があった。また、日韓首脳会談で「北朝鮮問題」を話し合ったニュースも流れた。
 しかし、電話会談や直接会談で「北朝鮮に一段と強い制裁を」という結論だけは明らかにされたが、そこで安倍首相がトランプ大統領や文在寅大統領に何を語ったのか、相手の話に相づちを打っただけなのかは分からない。

 13日の社説では「日米が主張した原油の全面禁輸は入らなかったが」(毎日)、「日米両国が目指した石油の全面禁輸は…現状維持で決着した」(西日本)と、日本が「全面禁輸」を積極的に主張したかのような一節が見受けられた。しかし、「全面禁輸」は、電話会談でトランプ大統領から提案され、安倍首相が賛成しただけなのではないか。今の日米関係を考えると、トランプ大統領が提案して安倍首相がそれに追随したと考えるのが自然だ。この件に関して日本の各紙とも触れていない。
 米国が譲歩したのは、トランプ大統領の強硬な考えを国務長官、国防長官が諫めて譲歩提案をまとめたと考えるほうが理にかなっている。その大統領に安倍首相は、電話会談後いつも、「完全に一致した」と述べていたのだから、日本独自の制裁案を持っていたと考えるのは無理がある。
 そうした日米関係を踏まえても今回、日本がどう動いたのか見えてこない。 白垣詔男
posted by JCJ at 18:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする