2017年10月29日

【今週の風考計】10.29─ジャーナリスト殺害事件と「産経抄」

去る16日、マルタ島の女性記者ダフネ・カルアナガリチアさんが、移動中の車ごと爆殺された。彼女はタックスヘイブンに関わる「パナマ文書」の調査報道に参加していた。また同国ムスカット首相の妻が、パナマに会社を設け資産を隠していた経緯も追求していた。

この事件を、なんと19日の産経新聞1面コラム「産経抄」が、「日本の新聞記者でよかった、と思わずにはいられない」と書いた。江川紹子さんは、ツイッターで「人でなし、とはこんなものを書く人のことを言うのだろう。人の無残な死を、同業の者として、まずは悼むということが、せめてできないのだろうか」と。同感。

24日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが会見し、同業ジャーナリストが自分に加えた性暴力被害の実態を明かし、日本の司法・社会システムのありかたについて課題を提起した。

ジャーナリストへの脅しや殺害の脅迫、そして暴力は世界中に広がっている。この10年だけでも800人近くが死亡している。7割近くは「銃撃戦や危険な取材活動によって命を落としたのではなく、むしろ政府の腐敗、犯罪、麻薬取引、反体制派の活動を取材した報道内容に対する<報復>として殺害されている」という。かつ犯人は見つからず、見つかっても処罰されず、放置されている。
こうした事態を解決するため、国連は11月2日を「ジャーナリストへの犯罪に対し、不処罰をなくす国際デー」と宣言。今年は4年目となる。世界各地のジャーナリストに安全な環境を整備し、表現の自由を守り人権を前進させ、民主主義を強めるアクションプランを展開している。「産経抄」の筆者も煎じて飲むとよい。(2017/10/29)
posted by JCJ at 11:32 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする