2017年10月31日

《月間マスコミ評・テレビ》東京MXが“まともな”沖縄報道=隅井孝雄

 東京MXテレビの「ニュース女子」(1月2日放送)が、沖縄の高江ヘリポート建設反対運動を誹謗した“偽ニュース”を流し、問題となって10カ月たった。訂正し謝罪を求める視聴者、市民の抗議行動は今でも続いている。10月12日の「沖縄への偏見放送をゆるさない会」によるMX本社前での抗議行動は24回を数える。テレビや新聞が一切伝えないことは問題だ。おりしも10月11日、高江の集落近くに米軍ヘリが墜落、炎上した。沖縄の人々のへリポート建設反対運動で懸念された危険が現実になったのだ。今回もメディアは「不時着、炎上」と報じた。米軍や政府が「不時着」としたからだ。政府自身が「偽ニュース」の発信源となっている。
 「ニュース女子」は右翼論客を登場させるネット番組で知られる制作会社DHCシアターが作った。親会社のDHCは化粧品、健康食品会社であり、番組スポンサーでもある。DHCは抗議を受けても「反対派の言い分を聞く必要はない」など開き直った。しかし、BPO(放送倫理・番組向上機構)で番組内容の適否や倫理違反の有無について審議が行われている。
 そのMXテレビが沖縄についての報道特別番組を放送した。「沖縄からのメッセージ〜基地・ウチナンチュウの想い」(9月30日放送)は「非武の邦」といわれた琉球王国にさかのぼり、廃藩置県の名のもとの本土併合、第二次大戦の沖縄地上戦、戦後の米軍統治、日本復帰と、歴史をたどりながら、米軍基地の下での沖縄県民の苦悩が描かれた。
 同局の番組審議会が「多角的視点から再取材を求める」としたことから、沖縄の取材経験が豊富なジャーナリスト吉岡攻氏に依頼され、まともな報道番組になった。一部基地容認派のインタビューもあるが、沖縄の現状が浮き彫りにされた。
 しかし沖縄での反基地運動に対する中傷攻撃は続いている。「琉球新報」(10月8日)によればオキラジ(沖縄市)、FM21(浦添市)など5局で放送されている「沖縄防衛情報局」という地域FMの1時間番組が「基地反対闘争の連中が人を襲い、リンチもやる」「中国人や韓国人はうそつきだ」などと放送を続けている。スポンサーは「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」、司会はその代表の我那覇真子さんらだ。
 アメリカだけではなく、日本でも横行し始めたフェイク(偽)ニュースに対抗する、真実の報道が求められている。
posted by JCJ at 10:23 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする