2018年02月01日

≪リレー時評≫ 沖縄の私たちは、この国の姿を問い続ける=金城正洋(「JCJ沖縄」代表世話人)

 昨年2月の「JCJ沖縄」立ち上げから、やがて1年。年末に「リレー時評」の依頼があった。さっそく正月3日に、この稿を起こす。沖縄では年の初めに手掛けることを初興し(ハチウクシ)と言う。縁起ものですのでどうかよろしく。
 と書いたところで新年早々縁起でもないことが起きた。6日、伊計島の民家の数十メートル先に米軍ヘリが緊急不時着。8日には読谷村のリゾートホテル近くに別の米軍ヘリが緊急不時着した。

 米軍機の事故は枚挙にいとまがない。一昨年暮れ名護市の東海岸にオスプレイが墜落大破。オーストラリア沖で墜落した普天間基地所属のオスプレイは、その後も岩国基地や大分、奄美、石垣などの民間空港に緊急着陸。衆議院選公示翌日には高江の民間地で大型ヘリが墜落炎上している。
 去年暮れには普天間基地周辺の保育園にヘリの部品が落下。さらに近くの小学校校庭で体育の授業をしていた児童たちの十数メートル先に重さ約8キロの米軍ヘリの窓が落下し、衝撃で飛んだ小石で児童が軽傷を負った。

 それだけではない。米軍関係者による殺人事件や飲酒運転死亡事故も起きた。米軍も日本政府も沖縄を戦争の訓練場としか見ていない。1945年から憲法の蚊帳の外に放置され、時計の針が止まったままだと言っても過言ではあるまい。
 昨年1月、東京地方放送局の番組「ニュース女子」に端を発する「沖縄ヘイト」が表面化。BPOが問題視して審議入り。「重大な放送倫理違反があった」と異例の決定を下した。
 だが沖縄ヘイトは止まらない。「部品落下は作り話」と誹謗中傷が後を絶たない。米軍が非を認め謝罪したにもだ。正体を隠し暗闇から弓を放つこの国の人々。沖縄だからどんなに叩いても許されると言うのか。無知無理解無関心なのか、憎悪に満ちた確信犯なのか、「嫌沖縄」の底が抜けてしまったようだ。
 辺野古の海と陸では基地建設に抗議する人々に対して国家権力が暴力的に排除し、逮捕行為にまで及んでいる。

 沖縄は11月の知事選を頂点とした統一地方選の年。2月4日は辺野古新基地建設を争点とした名護市長選だ。基地建設に反対する現職対自公維新が推す基地容認派の新人の争い。自民は党と政府挙げてなだれ込む。「辺野古反対は堅持する」という公明は基地容認候補を担ぐ矛盾を露呈。実質基地押し付け役に回る。
 昨年2月のJCJ機関紙に米大統領と対峙する「ロイター」編集主幹の言葉があった。「われわれは最善を尽くして記者たちを擁護し、ニュース活動を続ける」「報道の現状を悲観してはならない」。その通りだ。

 私たちは悲観しない。沖縄の歴史に立てば、権力に踏みつけられた者の視点で民衆の声をすくい上げる努力を怠りはしない。沖縄の現実を発信し、沖縄から見えるこの国の姿を問い続けていく。

posted by JCJ at 10:51 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする