2018年02月08日

リニア事件 JR東海は共犯者 「三位一体」で国民だます 関島保雄弁護士に聞く=橋詰雅博

 リニア中央新幹線の沿線住民738人が16年5月に品川―名古屋間の工事認可取り消しを国に求めた行政訴訟は、東京地裁で8回の口頭弁論が行われている。原告弁護団共同代表の関島保雄弁護士(70)に、リニア談合事件をどう見ているのかなどを聞いた。

――談合事件への感想は。
 大手ゼネコン4社が工事受注前に談合を当然やっていると思っていました。リニア新幹線はJR東海が全額自己資金で建設すると07年に表明。だから国も国会も国民も民間事業だから口を挟めないという流れできました。

「民間事業」口実に
――しかし、リニア新幹線は公益事業を対象とした全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づいて建設されています。
 全幹法の場合、用地買収や建設残土の処分などで自治体を協力させることができて、環境アセスメント前に提出する工事計画などはアバウトです。環境アセスはおおざっぱなものにならざるを得ません。全幹法の適用はJR東海にとってメリットは大きいのです。それでいて民間事業を口実にJR東海はいろいろな問題から逃げています。背後に政治的な動きがあったとしか思えません。

――そのうえ安倍晋三首相は16年6月に財政投融資による支援を打ち出しました。
 総事業費約9兆円のうち3兆円を財投で賄っています。しかも超低金利で、30年間返済据え置きです。
これを実現するため安倍政権は独立行政法人「鉄道・運輸施設整備支援機構」の法改正を行い、財投資金よってリニア新幹線の工事を発注できるようにしました。全幹法を適用、さらに財投という名の税金が投入されたリニア新幹線は、今や国家的プロジェクト。国が様変わりさせておきながら民間事業のイメージを維持し、国民をだましています。

9兆円の利権隠す
 9兆円という大きな利権を隠すため国、JR東海、大手ゼネコンが三位一体となってリニア新幹線建設を進めてきています。談合によって工事費がはね上がったのだから発注元のJR東海は本来ならば被害者だが、共犯者と言っても過言ではありません。JR東海の葛西敬之・取締役名誉会長は安倍首相の財界応援団の有力メンバー。ここでも首相に近い民間人が有利になるよう政策がねじ曲げられていると思います。

――裁判への影響はありますか。
 ストレートに影響するとは言えないでしょう。しかし、この事件は、談合のような違法行為がさまざまな場面で起きているにもかかわらず強引に建設が進められている実態を裏付けるいい材料になります。原告側の主張に説得力の厚みが増します。

聞き手 橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年1月25日号
posted by JCJ at 10:55 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする