2018年03月27日

《編集長EYE》 電通が憲法改正国民投票を支配する=橋詰雅博

 2017年に新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどで費やした日本の総広告費は約6兆3900億円で、6年連続プラス。業界最大手の電通は国内売上高が1兆5600億円、海外も含む連結ベースの総売上高は約5兆2000億円だ。電通の総売上高は日本の総広告費の8割ほどに当たる。まさに巨大企業で、単体では世界一の広告代理店。

 だが一方では新入女性社員を過労自殺に追い込んだことで社会から糾弾され、16年末にブラック企業大賞≠ニして名指しされた。社員を酷使することで、ナンバーワンの地位を維持してきたゆがんだ構図が露呈した。

 そんな電通がここにきて注目されている。年内にも実施という憲法改正国民投票を巡り、電通が長年、広報戦略を担う自民党の改憲広告≠仕切るからだ。業界第二位の博報堂で18年間営業をしてきた著述家・本間龍さんは「電通が国民投票を支配する」と断言している。

 2月末に都内で講演した本間さんはこう指摘した。

 「国民投票運動ではテレビCMの影響力が大きい。インターネットとは違い、テレビCMは『ながら視聴』されるので、繰り返し行われると、視聴者への『刷りこみ効果』は絶大です。特に視聴率が高い夕方から夜11時台に流れるスポットCM(局が定めた時間帯に15秒間流れる)が勝負のカギになる。この時間帯にいかに大量にCMを流すかだ。これを実現するには巨額なお金が必要。また、このCMワクを事前に抑えなければならない。 

 改憲勢力の中心である自民党の資金力は護憲勢力のそれを圧倒している。政権党の自民を支える電通は、テレビCMでのシェアは35%とダントツ。加えて戦略立案もCM制作もCMワク購入も1社だけですべてやれる。従って自民党などの改憲勢力が国民投票で勝つ可能性は高い」  

 国民投票では有料テレビCMは投票日前2週間だけ禁止。規制を強化しないと自民党・電通の思うつぼだ。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年3月25日号


 
posted by JCJ at 18:00 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする