2018年05月23日

【月間マスコミ評・新聞】再開発に警鐘、日経「限界都市」=山田 明

 4月14日、安倍政権に抗議する人たちが国会議事堂前に殺到し、怒りの声がこだました。若者らのやまないコールが響きわたる。国民の怒りは全国に広がり、内閣支持率も急降下しつつある。与党内からも不安と批判が広がり、「安倍一強」なるものにも揺らぎが見え始めた。
 
 森友疑惑の財務省の決済文書改ざん、加計疑惑の「首相案件」文書、防衛省・自衛隊の日報隠し、厚労省のデータ捏造、前川喜平氏講演に対する文科省・自民党政治家の介入、財務次官セクハラ疑惑への「対応」など、政治の私物化、底なしの嘘と隠ぺい、不祥事。こんな安倍政権のもとで、権力監視と国民の利益を守る憲法改悪など許されるはずがない。
 
 行政の信頼を根底から揺るがす疑惑が次々と明るみに出る。
 
 とりわけ公文書改ざんは議会制民主主義、日報隠しは文民統制を揺るがし、戦後政治のなかでも深刻な事態だ。
「もりかけ」疑惑は、安倍首相と昭恵夫人が当事者として直接関わる。一年以上も、国会と国民を欺いてきた政治責任はきわめて大きい。安倍首相はアベ政治を支えるため、高級官僚の人事権の内閣人事局への移管など、首相官邸への権力集中が強引に進められた。そのひずみがいま噴出しつつある。

 メディアへの攻撃と懐柔も、これまでアベ政治を支えてきた。そのメディアにも、世論の動向を反映して変化の兆しも見られる。
 
 産経はともかく、読売の論調に注目したい。放送法4条の撤廃は明示されなかったが、政府の規制改革推進会議の放送制度のあり方議論の行方に注意が必要だ。
 
 
 メディアは権力監視とともに、国内外の構造変化に対応した世論喚起が求められる。
 
 日経「限界都市」シリーズは、そんな問題提起をしている。タワーマンション偏重の大規模再開発などに警鐘を鳴らす。「政府や自治体、企業が明らかにしない重要事実を、独自取材で掘り起こす調査報道を強化します」(3月21日朝刊)と。
 
 政治腐敗だけでなく、持続可能な社会を脅かす社会問題にも大胆に切り込む「調査報道」を期待したい。   
posted by JCJ at 14:28 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする