2018年05月30日

《編集長EYE》 自衛隊憲法明記で社会は変貌する=橋詰雅博

 安倍晋三首相が主張する自衛隊を憲法に明記する案が国民投票で過半数を占め改憲が実現したら、社会はどう変わるのだろうか。

 安倍首相は「何も変わりません」というが、これもウソだ。5月12日に東京・千代田区の弁護士会館で行われた「憲法改正と国民投票」と題した集会にパネリストとして参加した伊藤真弁護士(日弁連憲法対策本部副本部長)は、国民に認められたことを理由に自衛隊があらゆる場面で前面に出てきて、国内外の社会の空気がガラリと変わる危険性があると指摘し、こう述べた。

 「力がものをいい、寛容性に欠ける社会や異論・反論・批判を許さない社会に変貌する。また、大学の研究も企業も自衛隊との関わりを積極的、肯定的にとらえて推進しようとする社会になる。今の対米従属はさらに促進される。自衛隊を軍隊と見なす外国は憲法に軍隊を書きこんだことで、日本は好戦国になったと判断する。日本の軍拡を恐れるムードが国際的に一段と高まる」

 加えて防衛費の増加、自衛隊配備の拡張、軍需産業の育成、武器輸出の推進、自衛官募集の強化、国防意識の教育現場での強制などが実施される。かくして国防の名目で自由や人権が抑圧される国に落ちぶれる。

 徴兵制≠フ復活もあり得る。

 「ロシアに脅威を抱くスウェーデンは、徴兵制を今年復活させ、テロを警戒するフランスのマクロン大統領も徴兵制復活に意欲を示している。徴兵制は国家的な一体感の醸成には効果的です。ただし、日本では徴兵制という言葉は使わないだろう。『ふるさと守る体験学習』とか『助け合い技術習得訓練』などといった柔らかな言葉を持ち出して、悲惨さを打ち消すように誤魔化すはず。集団的自衛権行使容認を解釈改憲で堂々とやる安倍内閣なら、徴兵制違憲の解釈など一晩で変える」(伊藤弁護士)

 拠り所の文民統制も公文書改ざん、隠ぺい、破棄といった現実の政治を見てしまうと、幻想≠ノ過ぎない。

(JCJ事務局長兼機関紙編集長)
posted by JCJ at 14:59 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする