2018年06月01日

≪リレー時評≫ 加計獣医学部 生物化学兵器研究も!? =中村梧郎(JCJ代表委員)

 4月30日はベトナム戦争終結の日だった。あれから43年が過ぎた。
 アメリカは、あらゆる残虐兵器と化学兵器・枯葉剤などを投入したあげくに敗北したのに、ベトナムでの教訓を学ばない。その後も不法な戦争の繰り返しである。トランプは英仏と組んで4月13日にシリアを急襲した。

 「アサドが化学兵器を使った」というのが理由だったが、証拠は示されない。前回の使用疑惑では死者の写真にとどまらず、毒ガスで死んだ羊たちの姿もあった。ところが今回は無い。米英から資金援助を受けてきた反体制派の防衛隊ホワイト・ヘルメッツが病院で子供らに水をかけて叫び、それを撮影して去った。その動画が流されただけだ。
 同じ反体制派の幹部でさえ「彼らへの支持を集めるためのでっち上げだ」と話した(ダマスカス=共同、東京新聞4/14)。ヘルメッツへの援助を米国は3月にうち切っていたのだ(News week 5/15)。

 それにしても、化学兵器を使い続けてきた米英仏に「シリアは非人道的」と罵る資格は無い。ベトナム戦争でアメリカはイペリットやVX、サリン、CSなどを用いて住民を殺してきた。地下壕に逃げた人々を皆殺しとするためにマイティー・マイトを使ってガスを噴き込みもした。
 第一次世界大戦で最初に毒ガスを使ったのも英仏と独だ。1925年に化学兵器禁止条約ができたが第二次大戦で各国は開発と生産を競った。日本軍が中国に遺棄してきた毒ガス弾による人体被害は補償もされないまま今も続いている。
 現在の禁止条約は97年にようやく発効したものだ。ところが「テロ防御」などの名目で各国は生物化学兵器を保持研究している。日本の陸上自衛隊にも化学科部隊があって、全国規模で陣容が強化されている。

 安倍首相の利益供与事件、加計問題は空前の醜聞だが、HAFFINGTON POSTの昨秋の報道は、さらに戦慄すべき事実を伝えた。国家戦略特区への獣医学部新設条件が、軍学共同の「生物化学兵器研究」の拠点作りではないか、というものだ。
 記事を寄せたのは池内了名古屋大学名誉教授。学部新設の石破四条件(2015年閣議決定)を分析している。感染症対策や生物化学兵器への対応など「新たなニーズ」を満たすことと、既存の獣医学部では対応が困難な、軍事的利用を学部新設の理由に、などが条件となると。七三一部隊とまでは言わずとも、軍人の獣医師養成…それが石破構想なのであろうか。
 加計学園が公表した「学部新設の目的」は動物実験による先端研究、人獣共通感染症の研究などを掲げている。それは将来、生物化学兵器研究に拡大する余地を残す。国家「戦略」特区とはそんな野望も含むのか。
 殺人AI兵器や無人機リーパーの日本への導入もとりざたされている。メディアによる調査報道を待ちたい。

posted by JCJ at 09:17 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする