2018年06月08日

《月間マスコミ評・新聞》神経疑う、読売「安倍改憲賛成」社説=白垣詔男

 今年の憲法記念日の各社社説は安倍政権に対するそれぞれの姿勢が鮮明に出ており、現在の新聞社の姿勢を知るうえでも非常に興味深かった。
朝日新聞の「安倍政権と憲法 改憲を語る資格あるのか」、毎日「引き継ぐべき憲法秩序 首相権力の統制が先決だ」、読売「憲法記念日 自衛隊違憲論の払拭を図れ」、西日本「憲法記念日 国政の危うさを見据えて」――見出しを見ただけで内容が想像できる。
 
中でも最も合点がいったのは朝日が「統治原理ないがしろ」「普遍的価値の軽視」「優先順位を見誤るな」の小見出しで、安倍政権の政治運営を徹底的に批判。「人権、自由、平等といった人類の普遍的価値や民主主義を深化させるのではなく、『とにかく変えたい』という個人的な願望に他ならない。……民意は冷めたままだ」と安倍首相の個人的な野望を冷静に的確に分析している。

 毎日は、国会議論の低調さや安倍首相の国会無視、過剰な権力行使を指摘して、国会に首相権力への統制力強化を求めているのは首肯できる。西日本は安倍政権が現在置かれている状況を「自業自得」「自縄自縛」と断じる。その上で自民党が発表した4項目の改憲案について「今なぜ(憲法)改正を急ぐのか、現行法の枠内で対応が可能ではないか、といった疑問点が多く、拙速感は否めません」と改憲案を批判している。
 
  以上3紙は、いずれも「安倍改憲」に反対の考え方を明確に主張して小気味いい。
 
 これに対し読売は「自民党案をたたき台に」と小見出しをつけ、「安倍首相(自民党総裁)は、昨年の憲法記念日に、自衛隊の根拠規定を設けるための9条改正を政治課題に掲げた」「自民党は……4項目について、改憲の考え方をまとめた。改正項目を絞り、具体的な条文案として提起したのは評価できる」と安倍・自民党改憲案に賛意を示している。西日本や識者の多くが「現行法で対応できる」という自民党案に対する意見には触れていない。
 
 読売社説を、社名を外して読めば、「自画自賛している自民党の文章」ではないかと疑われても仕方がないほどで、新聞社の社説としては偏っていると思う。これほど露骨に政権党寄りの社説を書く神経を疑ってしまう。


posted by JCJ at 15:30 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする