2018年08月03日

≪リレー時評≫ NHKが12月から4K、8K放送の開始、さらに巨大化の怖れ=隅井孝雄

 今年12月1日から、新しい衛星テレビ放送、スーパーハイビジョン(4K・8K)が始まる。6月1日「新放送開始まであと半年」というセレモニーイベントが開かれた。
 4Kは現在のハイビジョン放送の4倍、8Kは16倍の鮮明度になる。先頭で推進しているのはNHKだ。2年前から全国の放送会館に巨大スクリーンを設置、上映してきた。上田良一会長は「超一流のコンテンツを用意している、2020年の東京オリンピックには世界に先駆けたい」と言っている。

販売中の4K、8K受像機では放送は受信できない?
 大型電機店には、4K、8Kをうたう受像機がずらりと並ぶが、専用チューナーをつなげないと放送は受信できないことが問題となっていた。
ようやく6月に東芝が4K内蔵テレビを発売したが価格は55インチで20万円前後する。各メーカーのチューナーや内蔵型の発売は秋ごろになるという。BSアンテナ受信者は対応アンテナに切り替える必要もある。新テレビを見ようとすればかなりの支出になる。
 一般市民の認知度は低い。12月放送開始を知っている12.2%、専用チューナーが必要だと知っている34.4%、購入したい17.1%に止まる(5/31放送高度化推進協調査)。

受信料の流用は許されるか?
 NHKはスーパーハイビジョンの開発、番組制作に2014年以降4年間で309億円つぎ込んできた。2018(平成30年度)の関連予算は320億円、東京オリンピックの2020年までにさらに317億円をつぎ込む(日経6/1)。開局日には南極から4K、イタリアから8Kで生中継をするほか、ウイーンフィル新春コンサート8Kなど、大型の紀行、文化、音楽番組を計画している。
 NHKは放送法で「あまねく受信できるように努める」義務がある。4K,8Kに多額の受信料をつぎ込んでいいのかどうか問題だ。
民放キー局はあまり熱が入っていない。「画面がきれいだからと言って、スポンサーがお金を出してくれるわけではないし」とはある民放幹部のつぶやきだ。
 なお、WOWOW(有料)、スカパー、映画チャンネル(有料)、QVC(ショッピング)、なども新放送4Kの割り当てを受けて、2020年から4K放送を始めると予定している。

NHKの巨大化に歯止めがかからない
 NHKだけが4Kにプラスして8Kも放送する。インターネット放送も解禁されれば、合計すると7チャンネルにまで巨大化する。
 安倍内閣はインターネットと地上波テレビ、衛星テレビの「融合」という名目でテレビ放送の規制撤廃を計画中。4K, 8Kもその一環だ。
 新しい技術を取り入れ、チャンネルが増えるのはいいが、番組の質の向上がすすむのかどうか、公平な放送ジャーナリズムが保たれるのか。十分な討論なしに新放送がスタートすることに危惧を覚える。

posted by JCJ at 10:08 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする