2018年08月09日

≪おすすめ本≫ 本間龍・南部義典『広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM』─自民党と電通の密接な関係が、「改憲」への起爆材となる危険!=坂本陸郎(JCJ広告支部)

 改憲を目指す「国民投票法」の欠陥が、対談によって暴かれる。南部氏は、かつて民主党の議員秘書として国民投票法の作成に深く関わってきた。本間氏はプロパガンダ広告に詳しい。

 「国民投票法」をめぐる二人の対話が興味深い。当時、民主党は「闊達な言論空間」の創成を主張した。できあがったのが「投票日前14日以後のCM」のみを禁止するという国民投票法だった。
 それも「私は賛成(反対)します」などのCMは規制外にする抜け道を残していた。これでは公平どころか政党助成金で潤う自民党の宣伝が、他を圧してテレビ画面を埋め尽くすことにもなりかねない。

 多くのヨーロッパ諸国では、国民投票の際のCMは禁止している。本間氏も国民投票発議後のCM禁止を提案している。
 本著のメインテーマは自民党と電通との密接な関係である。自民党の広告を一手に扱う電通にとって、国民投票はまたとない儲け口であり、その広告宣伝費は膨大な企業収益となる。
 一手受注となれば、あらゆる媒体で「電通専用枠」がものを言う。とりわけ地方局に対する電通の支配力は圧倒的である。自民党がスポンサーとなれば、メデイア各社ではいっそう営業優先となり政権批判の報道は手控えられるだろう。

 今国会では国民投票法の上程が見送られたとはいえ、9条改憲は自民党結党以来の党是である。2000年に向けて、燃やす並々ならぬ執念は軽視できない。本著は数々の事例を挙げて警鐘を鳴らす。広告に依存するメデイアの経営が、ジャーナリズムに与える影響に注目したい。
(集英社新書720円)
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posted by JCJ at 11:34 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする