2018年08月25日

《JCJ沖縄声明》差別と人権侵害許さず 辛淑玉さんと連帯する

 2017年1月、東京MX テレビで放送された「ニュース女子」問題は、放送という公共資財を使った人権侵害発言や事実に基づかない報道、ヘイトスピーチの影響の大きさ、被害の甚大さを浮き彫りにした。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)は、この番組による東村高江の米軍ヘリパッド建設抗議活動の報じ方について「重大な放送倫理違反があった」とし、また、人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんへの名誉棄損を認めた。にもかかわらず同番組を制作するDHCテレビジョンは、同問題について何ら反省することなく問題発覚後も一部の地方局やインターネット上で放送が続いている。重大な放送上の問題が指摘された放送回も、今この瞬間ネット上で動画再生され続けている。

 BPO の指摘を受け、放送した東京MX は2018年7月20日ようやく、辛淑玉さんへ謝罪したが、制作会社のDHC 側が問題を認めないまま放送を続けているという現状をみれば、「ニュース女子」問題はまだ終わっていない。

 同番組の放送以降、ネット上には辛淑玉さんの誹謗中傷が広がり、「殺せ」などの発言が飛び交っている。辛淑玉さんは放送後、命の危険を感じ、「事実上の亡命」としてドイツに移住を余儀なくされた。差別やヘイト思想は常に連鎖することで、過激さを増していく。その種をまいた同番組の責任は重い。

 それにもかかわらず、DHC 側は、これまで番組の正当性に終始。また、番組内で辛淑玉さん差別的な発言を繰り返したジャーナリストやコメンテーターもこの問題について沈黙したまま、同番組やほかの公共放送に出演を続けている。その結果、「ニュース女子」が社会に投げた差別とヘイトは、拡散され続けているのである。

 辛淑玉さんは7月31日、「ニュース女子」における人権侵害について、制作したDHC テレビジョンと司会の長谷川幸洋元東京新聞論説委員を名誉棄損で提訴した。DHC 側が今も垂れ流し続ける、人権侵害が認定された放送回の差し止め、謝罪広告の掲載を求めた。提訴は、辛淑玉さん自身の名誉回復と生活を取り戻すための闘いであると同時に、同番組によって同じく傷つけられ辱められたヘリパッド建設に抗議する沖縄の住民ら、在日コリアンや中国人の人権を回復する闘いでもある。

 新聞とテレビ報道に携わる者として、私たちももはや、放送の責任を放置し続けるDHC 側の態度を看過できない。辛淑玉さんの勇気ある告発に連なり、共に名誉と人権の回復を取り戻すため闘うことをここに表明する。

 2018年8月1日
日本ジャーナリスト会議沖縄(JCJ 沖縄)
世話人 米倉 外昭
松元 剛
与那原 良彦
黒島 美奈子
金城 正洋
次呂久 勲

posted by JCJ at 11:13 | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする