2018年08月26日

【今週の風考計】8.26─放射性物質トリチウム水90万トンの放流

福島第2原発の停止中4基も、すべて廃炉とする決定がなされて2カ月半が経つ。事故を起こした福島第1原発の全6基と合わせ、これで10基すべてが廃炉となる。
いよいよ溶け落ちたデブリの取り出しや汚染水の処理、廃棄物の受け入れ先など、緊急で困難な課題に立ち向かわなければならない。

福島第1原発では約106万トンの汚染水がタンクに保管され、もはや限界に近い。そのうち90万トンは放射性物質の濃度を下げる処理が進み、その放射性物質トリチウムを含む水を、さらに希釈して海への放流、水蒸気放出、地下層への注入など、5つの方法で処理したいと検討している。
その公聴会が今月末、福島・郡山・東京で開かれる。国の基準では1リットルあたり6万ベクレルの濃度に薄めれば海に流すことができる。いまも稼働している日本の原発や再処理工場から、現実に排出されている。原子力規制委員会は健康への影響を含め、海洋放出に問題はないという。

だがトリチウムは放射性物質であるのは紛れもない。にもかかわらず人間と生物への影響が過小評価され続けてきたのではないか。福島県漁連は「トリチウム水の海洋放出には断固反対する」と抗議、海洋放出を絶対に行わないよう強く求めている。
未曾有の被害をもたらした福島原発事故、いまだ「原子力緊急事態宣言」は解除されていない。くわえて多くの住民が避難生活を強いられ、放射能汚染による長期的な低線量被曝にさらされている。

政府と東電はトリチウム水を海に放流し、空いたタンクの跡地に、取り出したデブリを保管する場所を確保したいと考えている。10月には福島県知事選がある。様子見が続く。(2018/8/26)

posted by JCJ at 11:05 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする