2018年08月28日

《リアル北朝鮮》 「拉致中毒」と日本を非難 過去の謝罪や賠償など要求=文聖姫

 日本人男性が北朝鮮で拘束されたとのニュースが伝えられたのは11日未明だ。男性は滋賀県出身の30代で職業は映像クリエーターだとされる。欧州系の旅行会社が組んだツアーで北朝鮮に入国したらしい。西海岸の南浦(ナムポ)を訪れていて拘束された模様だ。スパイ容疑をかけられた可能性もあると複数のマスコミが伝えている。

 菅義偉官房長官は15日、閣議後の記者会見で「事柄の性質上、答えることは控えたい。いずれにせよ日本としては、拉致問題を含む北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に向けて主体的に取り組んでいかなければならないとの立場は変わっていない」と述べた。NHKの報道によると、政府は情報の確認を急ぐとともに、早期の解放を求めている模様だ。だが、いまのところ北朝鮮側からの発表は何もない。

 米朝、南北、中朝の各首脳会談が実現し、朝鮮半島を取り巻く情勢が大きく転換するなか、「蚊帳の外」に置かれた感のある日本は、日朝首脳会談を模索するが、進展はない。そんななかで起きた日本人拘束。日朝関係はさらに不透明さを増している。

 そうした中、北朝鮮のマスコミは14日と15日、立て続けに日本を非難する論評を出した。特に労働新聞15日付は、「すでにすべてが解決済みの拉致問題について騒いでいる」と指摘。「拉致中毒」「拉致内閣」などの言葉を使って、拉致問題解決に向けた日朝会談を模索する日本政府をけん制している。論評は、日本がすべきは、過去の謝罪と賠償、そして過ちを二度と繰り返さないことを約束し実践に移すことだとも主張している。

 時期を同じくして14日には、日本軍慰安婦問題や強制連行問題を追及する団体が調査報告書を発表し、戦前日本軍「慰安所」があったとする日本人女性の証言を入手し、北部の羅先(ラソン)市先鋒(ソンボン)地区で調査を実施したと明らかにした。

文聖姫(ジャーナリスト・博士[東大])

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年8月25日号
posted by JCJ at 13:55 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする