2018年10月01日

《編集長EYE》 国民投票テレビCMで民放連どう動く=橋詰雅博

 衆参国会議員による超党派の新しい議員連盟が8月末に発足した。「国民投票運動としてのテレビCM」に関して公平なルールを求める議連がそれ。学者やジャーナリストなどからなる市民団体「国民投票のルール改善を考え求める会」の議連結成の要請に応じたもので、会長に自民党の船田元・憲法改正推進本部長代行が就任した。立憲民主党の山尾志桜里衆院議員と国民民主党の桜井充参院議員が副会長に、立憲民主の杉尾秀哉と無所属の真山勇一両参院議員が事務局を担当する。

 市民団体は、資金潤沢な改憲勢力が賛成を勧誘するテレビCMを大量に流すと、資金に乏しい護憲勢力は対抗できず、不公平が生じるとしてテレビCMに一定のルールを設けるべきだと主張してきた。数回の会合を経て作成した国民投票運動期間中のルールは2案ある。一つは賛成派と反対派が同じ日の同じ時間に、同じ分数の放送を行う案だ。もうひとつは英国の実施事例をモデルにしたもので、異なる放送日で同じ回数・分数の放送を行い、最終的に視聴率が同じ程度になるように調整する案である。この2案は議連に提示していて、議連はこれをたたき台にしてルールづくりを行う。

 安倍晋三首相は来年夏の参院選挙前までに国民投票を実施すると言っており、国民投票法を改正してルールを導入するのは時間的に困難だ。このため議連は自らつくった案を民放各社が集まる日本民間放送連盟(民放連)やNHKに提示し、自主的にルールを策定するよう求めていく。

 記者会見で船田会長は、賛否分れるテレビCMについてこう述べた。

 「同じ時間帯に同一分量を流すのがふさわしい。国民投票法が法制化した11年前、民放連はテレビCMで公平が保たれるよう自主的に制度設計すると発表した。だが、実現しておらず、肩すかしをくらった。9月中にも民放連やNHKと意見交換したい」

 巨額な国民投票特需≠当て込む民放連の対応に注目だ。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年9月25日号

 

なお民放連は、9月20日にテレビCMを量的規制しない方針と決めました。

 
posted by JCJ at 14:00 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする