2018年10月14日

【今週の風考計】10.14─異常気象と「羊のゲップ」とパリ協定

★今年の夏は異常だった。6〜7月にかけて北半球を熱波が襲い、世界各地で最高気温が塗り替えられた。日本では7月に観測史上41.1℃の最高を記録し、熱中症が続出した。カリフォルニアやポルトガル、そして北極圏までもが森林火災に襲われた。こうした世界に広がる異常気象は、地球温暖化に起因しているのは間違いない。

★「温暖化もたらす数千万頭のゲップ」と見出しのついた記事に驚かされた。何もとりあえず調べてみると、羊や牛のゲップには、二酸化炭素の25倍にあたる温室効果を高めるメタンガスが含まれ、一頭あたり1日500リットル吐き出すという。
★世界には牛・羊・ヤギなどの反芻動物が31億頭いるので、吐き出すメタンガスの総量は一日1兆5,500億リットル、東京ドーム1250個分に相当する。地球上の温室効果ガスの5%に当たる─こうした事実を学んだ。
★さらに糞尿が発する亜酸化窒素は、二酸化炭素の300倍もの温室効果を発揮し、オゾン層を破壊する原因になっている。オーストラリアやフランスでは、羊や牛のゲップを抑制する研究や対策に懸命である。栄養価の高い飼育肥料が、ゲップの頻発、メタンガスの発生を増進させているとの研究から、配合を変えるなどの対策が取られている。

★のんびり野山を歩き、牛や羊の反芻に見とれていたが、牛のゲップと地球温暖化の不思議なサイクルに、思いを新たにした。年末には「パリ協定」COP24が、ポーランドで開かれる。21世紀末までに温室効果ガスを実質ゼロにする画期的な協定だが、米国トランプ大統領の<脱退放言>は論外としても、他の国でもいかに実施していくか、その詳細な国際ルールが定まらない。
★ようやく日本も「パリ協定」COP24に提出する長期戦略「2050年温室効果ガス80%削減」に向けて議論が始まった。しかし世界に比べ、排出量取引や炭素税の導入など国内の実効力ある政策が、周回遅れである事実は歴然としている。(2018/10/14)

posted by JCJ at 13:35 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする