2018年12月28日

【リレー時評】ダイオキシンまみれの政治家は浄化するしかない=中村梧郎

 浦和駅東口から5分ほどの所に「片山さつき」の看板はあった。国会で「著書広告だ」とゴマ化そうとしたが、道から見えるのは大書された彼女の名前ばかり。いつの間にか撤去された。
 週刊新潮11月29日号は「片山さつきからダイオキシン」を特集した。産廃業者との汚れた関係を暴露したもの。静岡県御前崎市で産廃処分場を口利き誘致した話だ。業者にパー券を買わせたり、百万円の献金を受けたりもしている。市は四億円を産廃業者に出すのだという。
 前号では彼女の後援会「山桜会」の中村望会長が仙台の竹の内産廃≠乗っとったこと、「そこでは違法な投棄が繰り返され、放置された焼却炉からはダイオキシンが検出される有り様」と報じていた。

 廃棄物処分場の認可に政治家が関わるケースが頻発している。露骨なのは梶原拓・岐阜県知事時代のスキャンダルだ。御嵩町に処分場を作る業者と組む知事に対して町民の抗議が拡がった。NHKの解説委員だった柳川喜郎氏が住民に推されて御嵩町長に当選、公約は「ダイオキシン汚染の処分場は許さない」であった。
 町長は知事が進める認可に楔を打ち込みはじめた。しばらくして、柳川町長を二人の暴漢が襲撃した。頭蓋骨骨折の重傷だったが、県警は非常線を張らず、犯人を取り逃がす。産廃業者による町長宅の盗聴も発覚したが業者への捜索はしない(御嵩町史・通史編)。産廃がらみの殺人未遂だと報じられたものの、2011年犯人不明のまま事件は時効となった。

 廃棄物処理は不法投棄をすればボロ儲けとなる。その金は許認可権を持つ権力者に渡りやすい。片山大臣もオコボレを期待したのであろう。
ダイオキシン問題をメディアがあまり扱わなくなってから十数年が経つ。環境省は産業界の意向に従い、ダイオキシンを含む環境ホルモンリストを2004年に封じた。時流に乗りたい論者らも業界におもねって「ダイオキシンはメディアのカラ騒ぎ」といった雑文を撒き散らした。
 ダイオキシンは無害と言わんばかりのこの主張に自信があるのなら、京都で開催される「2019ダイオキシン国際学会」で発言したら良い。世界を前に愚かしさが際立つはずだ。

 ベトナムでは元米軍ダナン基地のダイオキシン汚染が発覚していた。住民の癌や異常出産も生じた。ベトナム政府は米国を糾弾、米議会は予算を組んで2012年に無害化に着手、18年に完了した。引き続きビエンホア基地の浄化も始めた。
 13年には日本・嘉手納基地返還跡地のサッカー場からダウケミカルのドラム缶が出て、枯葉剤のダイオキシンを検出した。しかし日本政府は米国に抗議をしない。住民の健康調査もやらない。
 ダイオキシンを出す業者や米国とつるむ与党政治家たち。ならば政権丸ごと浄化するしかない。
posted by JCJ at 10:53 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする