2019年01月27日

【編集長EYE】 あの「ハズキルーペ」永田町で話題に=橋詰雅博

 政党支持率1%台に沈む野党第2党の国民民主党(代表・玉木雄一郎衆院議員)は、第1党の立憲民主党との違いを強調し、支持率浮上に懸命だ。国民投票法改正案を真っ先に公表したのもそのためである。@政党によるテレビCMの禁止A投票運動を行う団体の資金の上限は5億円B国政選挙との重複回避―がその骨子。  

 憲法問題で野党との話し合いが暗礁に乗り上げていた自民党と公明党はこの改正案に乗り気だった。

 「改憲作業を急ぎたい安倍官邸が『改正案をまるのみして、国民民主党を取り込め』と自民党の下村博文憲法改正推進本部長にハッパをかけたのです。しかし、11月の『改憲論議しない野党は職場放棄』の下村発言で野党が反発し、官邸の思惑は頓挫した。だが、改正案の取り込みを官邸はあきらめたわけでない」(国会事情通)

 また、改憲をめぐり永田町では奇妙なウワサが流れている。ウワサの主はメガネ型拡大鏡「ハズキルーペ」の製造販売会社の会長兼CEOの松村謙三氏(60)だ。松村氏は4歳年上の安倍晋三首相と同じく成蹊大出身。今までさまざまな会社を買収して築いた「松村グループ」の総帥で、経済同友会会員だ。安倍友≠ゥは、はっきりしないが……。

 ハズキルーペの何がそんなに心配なのか。国民投票法改正に絡む都内の集会に参加していた広告業界に詳しい著述家の本間龍氏は、こう指摘した。

 「ハズキルーペがメインスポンサーになっているのは43番組。急速に増えていて、情報番組系が70%占めている。発議後の国民投票運動がスタートしたら、ハズキルーペのスポンサー番組のCMの中身が変化するのではないと危惧されている。改憲を打ち出した意見CMなどが流れる可能性がある。スポンサーだからと言って、簡単にCMの中身が変えられるのかという意見もあるが、CM審査を行う考査セクションをパスすれば問題ありません」

 ウワサで終わることを願うのみだ。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年1月25日号
posted by JCJ at 11:32 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする