JCJ香川支部も参加する8・15戦争体験を語りつぐ集い実行委員会が主催した「12・8って何の日?」を、今年も12月8日に高松市で開きました。市の平和資料館がある「たかまつミライエ 」6階でDVD「戦場のタイムテーブル・真珠湾攻撃」、1941年12月8日のドキュメントフィルムを見た後、参加者がグループをつくって話し合いました。
話し合いは今様のワールドカフェ式です。30人あまりがほぼ5人程度のグループに分かれて、それぞれ自分の戦争に関わる体験や見聞を出し合いました。15分話すごとに別のグループに移動しながら2時間近く費やしました。
1945年8月までの戦争そのものを語れる人はもう少数です。それでも「私は軍国少女だった」と学校であったこと、教わったことを丁寧に思い出して語る人、「統制と配給で商売がなりたたなくなる。そこへ働き手の父親が召集されて、一家は引っ越し連続で……」など初め口にする物語や、「戦時中、飛行場をつくるときには朝鮮人が働いていて、近くに掘っ建て小屋たててひどい扱いだった」「戦後でも散髪屋さんが『朝鮮人お断り』と書いた紙をはっていた」――そんな話が次々と聞こえました。
これまでの私たちの取り組みでは、講師の話を聞いて感想、意見を交換することがほとんどで、高松空襲といった特別の日の出来事以外に自分たちの身に起きたこと、見聞きしたことを語ることはほとんどしてきませんでした。それだけに今年の「12・8の集い」は新鮮でした。語るべき何事かを胸にしまって置いてはいけないことを改めて感じました。
刎田鉱造(香川支部)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年1月25日号