2019年03月12日

《月間マスコミ評・新聞》カジノ万博の追及は遠慮がち=山田明 

 厚生労働省の毎月勤労統計の偽装から始まり、統計不正問題は拡大するばかりだ。政府基幹統計の信頼が揺らぎ、国民生活、研究教育への影響は計りしれない。国会で疑惑の解明が求められるが、安倍政権は後ろ向きの姿勢が目立つ。
 安倍首相の嘘と居直りとともに、麻生副総理兼財務相の暴言にも呆れてしまう。「産まなかったほうが問題」発言だ。こうした暴言の確信犯、常習犯であり、発言撤回で済む話ではない。
 首相官邸が記者質問を問題視し、制限したことも重大な問題だ。新聞労連が抗議の声明文を出し、朝日などが社説で取りあげている。取材妨害に対して、内閣記者会、メディア全体で毅然と対応してもらいたい。
 沖縄では「妨害」をはねのけ、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票が全県で実施されることになった。「2・24県民投票」を注視したい。辺野古の海は、沖縄の民意を無視して米軍新基地建設の埋め立て工事が続く。政府は軟弱地盤の改良工事のため、設計変更するという。政府もマヨネーズ並み≠ニ言われる軟弱地盤を3年前に把握していたが、埋め立てを強行した。こんな杜撰な基地建設、公共事業はあり得ない。ただちに埋め立てをやめ、沖縄県と協議すべきだ。
 来年の東京五輪とともに、2025年に誘致が決まった大阪・関西万博にも注目したい。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪湾の人工島「夢洲」を舞台に開催する計画である。
 産業廃棄物などで埋め立て中の夢洲は、災害のリスクが懸念され、アクセスなどで巨額の地元負担をもたらす。大阪府・市は夢洲で万博1年前にIR=カジノを開業させようと躍起だ。ギャンブル依存症と隣り合わせのブラックユーモアのような「カジノ万博」だが、地元メディアの追及は遠慮がちだ。
 二度目の大阪万博は夢洲とカジノに固執すると、2005年愛知万博以上に迷走するだろう。大阪万博は、愛知万博の会場変更の教訓から学べ、と言いたい。  
 大阪では、維新が大阪市を廃止する「都構想」を強引に推し進めている。大阪はカジノや万博、「都構想」などより、防災や暮らしに目を向けるべきだ。政策の優先順位が問われている。
 春の統一地方選、夏の参院選に向け、足もとからのシビアな報道を期待したい。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年2月25日号
 
posted by JCJ at 14:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする