2019年04月11日

【月刊マスコミ評・新聞】 外務省情報に「嫌韓」悪意が=白垣詔男

韓国では3月1日、「3・1独立運動100年」を記念して全国各地で集会やデモがあった。私は、「日韓・韓日反核連帯」というグループの呼び掛けに応じて家族で集会・交流会に参加するためにソウルへ行った。

 2月28日、ソウルで、日本外務省が「韓国:『3・1独立運動100周年』に際するデモ等に関する注意喚起」と題する「スポット情報」を出したのを知った。私の周りにいた日本人は「平穏な韓国なのに外務省の姿勢は不可解、悪意が感じられる」と感想を述べる人が大半だった。

 帰国して3月1日の朝刊を見ると、朝日、西日本、産経が「スポット情報」の記事を掲載。毎日、読売にはなかった。

朝日「韓国渡航で外務省『デモの可能性』 3・1独立運動100周年」の3段格横見出しで4面に載せていた。「ソウルなどで市民団体が行うとみられるデモなどに近づかないよう注意を喚起している」という「スポット情報」の内容を伝え「外務省担当者『総合的に判断した』と説明した」と背景を書いていた。西日本は5面に「韓国渡航者に注意喚起 外務省、デモ警戒」の小さな1段見出しで事実のみの目立たない扱い。産経は2面トップ3段見出しで目立つ扱いだった。記事には「三・一独立運動をめぐっては2月27日の自民党外交部会でも出席議員から『一人の日本人でも傷つけられることがあったら、日韓関係はとんでもないことになる』などと、強い懸念が出ていた」と韓国嫌いと思われる新聞らしい内容だった。

 韓国の実態は、中央集会が開かれたソウル・光化門(クァンファムン)広場を中心に南に延びる世宗(セジョン)通りでは、韓服(ハンボク)を身にまとい民族楽器を演奏する大合奏隊や多くの市民らが整然と行進していた。

多数の警官が目についたが全員、手持ちぶさたの様子で、「国民の祝日」を祝うムードに包まれ、外務省が出した「スポット情報」が場違いであることが分かる。

 なぜ、外務省は「スポット情報」を出したのか。そこには安倍政権の「嫌韓姿勢」の悪意が感じられてならない。

 新聞は、外務省の広報以外に、産経は無理としても、そうした「悪意が感じられる外務省(政府)の姿勢」にも触れてほしかった。

白垣詔男

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
posted by JCJ at 16:46 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする