2019年06月30日

【内政】 新基地問題「他人ごと」か 玉城知事「自分ごととして考えて」 沖縄キャラバン開始=鈴木賀津彦

 全国の人たちに「自分ごと」として考えてほしい|。沖縄県の玉城デニー知事は6月日、東京都千代田区のホテルで開かれた、名護市辺野古の新基地建設の見直しを訴える全国キャラバンの第1弾となるシンポジウムで講演し、こう強調した。沖縄県は今後、全国の主要都市を行脚するトークキャラバンを展開し、県の考えを説明していく方針。県民投票や知事選で示された建設反対の民意にもかかわらず、なぜ工事が強行されるのか、基地負担が集中する沖縄の現実を正確に伝え、日本の安全保障について全国的な議論を呼び起こす狙いだ。

 この日も沖縄防衛局がこれまでとは別の護岸も利用し土砂の陸揚げを始めたことに、玉城氏は、この護岸利用は当初計画にはないため、県は工事中止を求めて行政指導したことを説明、「法令順守の意識を欠いている」と強く批判した。下矢印1 辺野古工事のあり方について、「法律の解釈のねじ曲げが続くと、日本の民主主義も地方自治も成り立たない。そういう大きな問題として、自分ごととして考えてほしいと全国に伝えたい」と玉城氏は思いを述べた。

 政府が「辺野古が唯一の解決策」だというが、「どこと比べて唯一なのか、沖縄県民は説明を受けたことがない。唯一という理由、理屈が成り立っていないから、説明を求めている。説明できないものを実行するわけにはいかない」とし、工事の強硬は「国民のためではなく、アメリカのためだ。日本政府は自分たちもちゃんと動いているとアメリカに見せたいからだ」と説明した。

 全国キャラバンは県の主催で開催。既に愛知県や熊本県の市民団体から開催依頼があるほか、7月日には新潟県の苗場スキー場で開かれるフジロックフェスティバルにもアーティストとして招かれているという。

 今回は「We Love OKINAWA デニー知事・キックオフシンポジウム|沖縄の声を聞き、皆で考えてみませんか?」と題して開催、約200人が参加した。辺野古県民投票の会代表の元山仁士郎氏や、米シンクタンク「憂慮する科学者同盟」上級アナリストのグレゴリー・カラツキー氏らが登壇、弁護士で新外交イニシアティブ代表の猿田佐世氏の進行で、日米地位協定の問題や自衛隊の配備の状況など、沖縄が直面する課題を多角的に議論した。

 沖縄の現実を大きく伝えている本土のメディアが少ない一方で、SNSなどのネットメディアでは正確な情報に基づかないフェイクニュースや沖縄ヘイトが流れている。このため「沖縄の経済は基地が支えている」「辺野古移設に反対すると、普天間飛行場の危険が放置される」などの誤った認識も多く存在することから、知事を先頭に各地に出向き、正しい情報を届け、リアルに対話を広げていきたいという。

鈴木賀津彦

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年6月25日号
posted by JCJ at 11:27 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする