2019年07月01日

【メディアウオッチ】 メディアの信頼高める活動を JIMAが設立シンポ リテラシー教育も推進

フェイクニュースやヘイトの言説の横行など、ネットメディアの信頼を揺るがす問題の解決を図っていこうと、インターネットメディア協会(略称JIMA)が発足、設立を記念したシンポジウムが6月8日、都内で開かれた。JIMAは今後、加盟メディアなどで議論を深めて倫理綱領を策定し、「送り手」の信頼を高める努力をする。一方で、メディアリテラシー教育にも力を入れ、ネット情報の「受け手」のリテラシー向上に取り組んでいくという。

JIMAは、ネットで情報発信するメディアのほか、配信するプラットフォームや広告などの関連事業者などが加盟(会員数34=5月末現在)。スマートニュースメディア研究所の瀬尾傑所長が代表理事を務める。

シンポの冒頭、瀬尾氏は挨拶で、設立の狙いを「信頼性ある情報をどう届けるかであり、インターネット上に形成されてきたインタラクティブな創造性と多様性をどう守っていけるか」とし「平場で、さまざまな議論」をしたいと述べた。

「メディアの創造性と信頼のために今なすべきこと」と題したパネルディスカッションでは、ジェイ・キャスト執行役員の蜷川聡子氏、BuzzFeed Japanシニア・フェローの古田大輔氏、MarkeZine(マーケジン)編集長の安成蓉子氏、NHKネットワーク報道部専任部長の熊田安伸氏、JX通信社代表の米重克洋氏が登壇、東洋経済オンライン編集長の武政秀明氏の進行で、多様な立場から「信頼されるメディア運営とは?」「表現の自由と規範をどう支えるか」「メディア経営をどう考えたらいいのか」などの議論を深めた。

信頼されるメディアについて、古田氏は「ユーザー(読者)に対して誠実な情報を発信する。我々がなぜ信頼性があるのか、信頼されるメディアであることを自ら証明すること」が必要だと強調。また熊田氏は「メディアにこそ説明責任が求められる」とし、NHKのウェブで政治部の記者が署名入りで執筆している「政治マガジン」では、従来のメディア(NHKを含め)では書き切れなかった綿密な取材で得た情報などをそのまま伝え、読む側が判断する材料を提供する取り組みを紹介。「そこまでやって信頼が得られる」と、レガシーメディアでは発信しきれていなかった試みを説明した。

「送り手」側とともに「受け手」「支え手」のリテラシーを重視するJIMAは、元TBSキャスターでリテラシー教育に取り組んでいる下村健一氏(令和メディア研究所主宰)が担当理事になり、受け手向け公開講座を積極的に展開し、子どもたちから一般のメディアリテラシーを高める活動を広げていく予定。また支え手である広告業界団体などとも連携を進め、ネットメディアが抱える多様な課題を業界横断的に一緒に考え、解決していける団体を目指すという。

鈴木賀津彦

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年6月25日号
posted by JCJ at 14:26 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする