2019年07月16日

【参院選】 争点は「改憲」「安倍政治」 野党が政策合意 自民 若者対象の新広報戦略展開=丸山重威

2019年参院選は「老後の生活には2000万円の準備を」という金融審議会報告とその受け取りを拒否するという麻生太郎副総理・財務相の前代未聞の対応で同日選はなくなったが、自民党が5つの政策の中に「早急な改憲」を掲げ、「憲法」が争点の中心におかれることになった。

全一人区で統一

 一方、立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党と、衆院の「社会保障を立て直す国民会議」の5野党・会派は5月29日、「市民連合」が示した安保法制(戦争法)の廃止など13項目の「共通政策」に合意。6月初めまでの協議で、参院選の1人区全32区での野党統一候補が決まった。

市民連合の政策を野党が合意しての統一は、2016年参院選、17年衆院選に続くもので、17年にはなかった「改憲発議」そのものへの反対や、「沖縄・辺野古新基地建設反対」、「消費増税中止」、「原発再稼働反対」「防衛予算削減」などが入り、国政の根本問題での共通の主張が明確にされた。メディアについても「放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築する」が第13項に入っている。

「新時代」で宣伝

 これに対し自民党は6月7日「日本の明日を切り拓く」と題した参院選政策を発表した。

 内容は@力強い外交・防衛A強い経済B誰もが安心、活躍できる人生100年社会C最先端をいく元気な地方D復興・防災E憲法改正を目指す−の6項目を挙げ、都合のいいことを並べた「令和新時代・伝統とチャレンジ」とのキャンペーン。しかし、「改憲」には「早期の憲法改正」と具体化を強調した。

 その一方で、自民党は若者と女性を対象にした「#自民党2019」と名付けた新広報戦略を進めている。歌・ダンス・落語などで活躍する10代の若者たちが登場する動画を展開。女性誌「vivi」の6月10日のウェブ版は「わたしたちの時代がやってくる!権利平等、動物保護、文化共生。みんなはどんな世の中にしたい?」のタイトルの企画広告を掲載。どんな世の中にしたいかを投稿した人からモデルの思いを印刷したTシャツを贈るという。

ムード選挙狙う

自民党・安倍政権は、令和―代替わり―トランプと続いた社会フィーバーの流れの中で参院選と「改憲」発議を実現しようとの大戦略をつくってきた。この結果、5月の内閣支持率と不支持率はNHK調査支持48%、不支持32%、JNN(TBS系)支持59・1、不支持36・9%、共同通信支持50・1%不支持36・2%など、軒並み上昇、不支持率も減少の傾向を見せた。

 自民党は、世論調査で「参院選で投票したい政党・候補者は?」という質問に、「自民党」との答えが、全体では約40%なのに、18〜39歳では50%だったことを見た、という。

 自民党は「新聞を読まず、SNSを日常的に使う若年層の支持」を期待してムードに訴え、彼らの心を掴む」という作戦で、有権者の半数を占める無党派数の支持を獲得する作戦だ「新時代」に自民党、「新時代」に憲法改正、のムードを駆り立てようとしている。


JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年6月25日号
posted by JCJ at 08:27 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする