2019年07月31日

【リアル北朝鮮】 電力不足解消の証? ビール缶の写真掲載=文聖姫

朝鮮総聯機関紙の朝鮮新報(2019年7月17日付2面)に興味深い写真が掲載されている。樹脂ボトルと缶の大同江(テドンガン)ビールである。

 拙著『麦酒とテポドン』(平凡社新書)でも紹介したことがあるが、北朝鮮の大同江ビールは実においしい。2003年に朝鮮新報平壌特派員をしていた頃は、ほぼ1週間に1度の割合でビール工場に通った。工場で直売するビールを5ケースぐらいずつ購入していた。支局の冷蔵庫にビールを入れておくと、すぐになくなった。「案内員」と称されるガイドら現地の人々にふるまっていただからだ。

 酔ってくると本音が出てくるのは北朝鮮の人たちも同じ。彼らから取材のときとは違う話が聞けるから、ビールの代金など安いものだった。

 大同江ビールは北朝鮮の人々に大人気。平壌市内には大同江ビールを飲ませる店がいくつもあった。ビアホールは仕事の帰りに一杯ひっかけていく労働者らでにぎわっていた。

だが、私が頻繁に訪朝していた2010年代の初め頃に缶ビールはなかった。缶ビール販売の再開は16年8月。大同江ビール工場のキム・グヮンヒョク工場長は、対外市場に出しても遜色のない「大同江ビール工場を代表するビール」(朝鮮新報朝鮮語版・電子版17年3月13日付)と自画自賛していたが、この発言を見る限り、缶ビールの海外輸出を目指していたことがうかがえる。同じ頃、平壌では外国人客も招待して「ビールの祭典」が開催された。ガイドブックまである。

もし、アルミ缶ビールの大量生産が可能になったとすれば、電力不足の解決にメドがついたともいえるかもしれない。もちろん、写真だけで判断するのは早計すぎるかもしれないが。

 世界的にも評価の高い大同江ビールだが、いまは経済制裁下で輸出もままならない。

文聖姫(ジャーナリスト・博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年7月25日号
posted by JCJ at 14:18 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする