2019年08月02日

【メディアウオッチ】 権力介入が常態化 JCJ6月集会 こびない情報発信で対抗=編集部

 JCJは6月29日、東京・飯田橋の法政大学でシンポジウム「安倍政権とメディア 攻防7年」を開いた。

 冒頭、共催の法政大学図書館司書課程の坂本旬教授は、このシンポは5月6日に法政大学で開いた『世界報道自由デー・フォーラム』のパート2にあたると挨拶した。

 次ぎにコーディネーターと4人のパネリストが発言した。

 シンポで考える論点について、和光大名誉教授でコーディネーターの竹信三恵子さんは「権力によるメディアへの介入」がポイントと述べた。

 沖縄タイムス編集委員の阿部岳さんは、海上保安庁が長官の記者会見前に記者クラブ加盟社を呼び出し、「沖縄二紙の記事は誤報だ」と説明したケースなどをあげた。

 NHK大阪報道部記者から大阪日日新聞論説委員に転じた相澤冬樹さんは、官邸寄りと言われる板野裕爾NHK専務理事についてこう語った。

「安保法制(2015年9月)をめぐり、国会包囲反対運動が続いていた頃、NHKはそれを一切報道しなかった。当時の板野放送総局長が抑えて出させなかった。取材していたNHK記者たちは『板野のせいで放送できなかった』と今でも言っている」

 東京新聞社会部デスクで「メディアで働く女性ネットワーク」会員の柏崎智子さんは、麻生太郎財務相をはじめ自民党国会議員がセクハラ問題に対し妄言を続けたのは、「これまでの記者の政治家への忖度による安心感からです」と語った。

 元NHKプロデュサーで科学ジャーナリストの林勝彦さんは、自らも制作に携わった福島原発事故の映画「いのち フクシマから未来の世代へ」の一部を上映。そして早期帰還政策は「放射能安全神話」を定着させたいためだと安倍政権を批判した。

朝日新聞OB記者の植村隆さんは、記者時代の慰安婦報道を右派ジャーナリストなどによって痛烈なバッシングを受けた。自分を攻撃した櫻井よし子氏や西岡力氏と安倍晋三首相との密接な関係を提示。その上で「巨大な敵と闘っている」と覚悟のほどを語った。

 後半は登壇者によるフリートーキング。相澤さんは「権力を監視するのはメディアではなく市民。メディアは忖度しない情報を発信し、市民に判断材料を提供するのが役目だ」と対抗策を示した。

編集部

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年7月25日号
posted by JCJ at 10:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする