2019年08月25日

【今週の風考計】8.25─2つのアマゾン、焼失と支配の恐ろしさ

●ブラジル・アマゾンで大規模な森林火災が発生している。年初からの8か月間で7万5000件も発生し、昨年比185%、過去10年で最大となっている。その主要な原因は、同国のボルソナロ政権が、環境保護より開発を優先し、森林を焼いて家畜の放牧地や畑を作るための意図的な放火を奨励したことにあると指摘されている。
●アマゾンの熱帯雨林は二酸化炭素を吸収し地球温暖化を防ぐ大事な要となっている。まさに「地球の肺」とも呼ばれている。だがそこでの火災で、1億7千万トン相当もの二酸化炭素が、逆に排出される事態となった。

●さらに煙はアマゾン地域から3200キロも離れたブラジルの最大都市サンパウロの空を覆い、街は暗闇に包まれる被害も出ている。ヴェネズエラやボリヴィアにも森林火災は広がっている。
●ボルソナロ大統領の怠慢や対策を取らない姿勢に、世界から抗議が起きている。フランスのマクロン大統領は、G7でもアマゾン問題を取り上げると言明し、ついにボルソナロ大統領は、消火活動に軍の出動を指示した。

●さてアマゾン問題は、もう一つある。26日閉幕するG7首脳宣言が見送られる背景には、アマゾンを含む米国の巨大IT企業を対象とした、フランスの「デジタル課税3%」に対し、トランプ大統領が、2020年末のOECD合意を待たずに先行導入するとは何事か、と猛反発した経緯がある。

●なにもアマゾンへの課税だけでなく、大規模通信障害を始め、膨大な個人情報の収集は、きわめて深刻な問題をはらんでいる。アプリを使い検索・閲覧・買い物まですれば、自分の個人情報は全て分析されて、そのデータが時には第3者に売買されるに至る。
●現に、就職情報サイトの大手会社が、学生の閲覧履歴を分析し、内定辞退率の予測データを企業に400万〜500万円で売っていた。知らぬ間に自分が売り買いされている、オソロシイ事態が来ているのだ。

●日本の公正取引委員会も、アマゾンなど巨大IT企業による個人情報の収集に対して新しいガイドラインを策定した。8月にも公表し年内にも実施するという。まずはSNSやネット検索を控えるのも一法だ。(2019/8/25)
posted by JCJ at 10:58 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする