2019年08月29日

【リアル北朝鮮】 9月以降の動きに注目 文大統領の呼びかけ拒否=文 聖姫

 日本が「終戦記念日」と称する8月15日は朝鮮半島で祖国解放記念日にあたる。韓国では光を取り戻した日として「光復節」と呼ぶ。

74年目のこの日を私は韓国の済州島で迎えた。街中に太極旗(韓国国旗)が掲げられている以外、イベント開催などの動きは済州島では見られなかった。知り合いに聞いても道庁主催の公式行事以外は特に企画されていないという。

だが、日本による半導体材料の輸出規制、ホワイト国からの韓国除外といった措置が取られたことに対し、韓国内では日本製品不買の動きなどが徐々に広がっていた。知り合いによると、商店で売っていた日本のビールが姿を消した。夏休みに家族で沖縄を旅行する予定だったが、取り消したそうだ。韓国・仁川と地方都市を結ぶ格安航空会社(LCC)便の運休も相次いでいる。

文在寅大統領は15日の光復節慶祝辞で、「日本が対話と協力の道に進むなら手をつなぐ」と、日本政府に呼びかけた。日本ではこのことばかりが強調されるが、むしろこの演説は北朝鮮への「ラブコール」といった側面が大きいのではないかと感じた。核を放棄しさえすれば、繁栄する経済強国を共に作れるのだというメッセージだ。文大統領は演説の最後でこう述べている。「我々の力で分断に勝ち、平和と統一に進むことが責任ある経済強国への近道だ。我々が日本を飛び越える道であり、日本を東アジア協力の秩序へと導く道だ」。南北が力を合わせれば日本に勝てるのだと北朝鮮に呼び掛けている風にも聞こえる。

しかし、北朝鮮は16日、祖国平和統一委員会報道官談話で文大統領の演説を強い調子で非難した。「いまこの時刻にも南朝鮮で我々(注:北朝鮮)に反対する合同軍事演習が行われている時に対話の雰囲気や平和経済や平和体制などとどの面下げていえるのか」。これがいまの北朝鮮の思いだ。軍事演習が終わる8月末までは動きはないだろう。

文聖姫(ジャーナリスト・博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年8月25日号
posted by JCJ at 14:28 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする