2019年10月10日

【JCJ賞挨拶】 みんなのデータサイト・小山貴弓事務局長 暮らす地域の汚染に注目 国がやらないのは問題だ

原発事故で気になったのは、自分の地域がどの程度汚染されているか、だった。それを調べようと自分たちで測定器を調達し測定活動を始めた。2013年9月、それぞれ独自に測定した全国の「食品の放射能測定データ」を簡単に見られるように、WEBに「みんなのオープンサイト」をオープンさせた。現在北海道から九州まで31の測定室が参加、メンバーは約150人になる。

 土壌の一斉測定をやるべきだ、との議論が起きた。国は放射能測定地域を17都県と決めながら調べない。このままだと例えば放射性セシウムは半減期が来る。何とか自分たちでやろう、と2014年10月、プロジェクトをスタートさせた。

 マニュアルを作って、ウェブサイトで公開すると、協力者も増えた。全域の測定データは何より貴重だ、という激励の声も多くスタッフも感激。公開の方法を考え、結局、「みんなのデータサイト出版」が誕生した。

 問題なのは、多くの声もあるように、この調査を国がなぜしないのか、ということだ。

 チェルノブイリ事故では、土壌汚染マップは、「チェルノブイリ原発事故が招いた現在および将来の放射能汚染予測」という副題で2056年までの地図を見ることができる。いま、土壌測定をしないまま、原発は全国で再稼働に動いている。この本を広めて、この問題を知っていただきたいと思う。国が言ったから、有名な学者が言ったから、と鵜呑みにするのでなく、何が科学的な事実かを自分たちの手で調べ「市民力の発揮」と「市民科学の実践」に力を尽くしていきたい。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号

      
posted by JCJ at 10:51 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする