2019年11月25日

【月刊マスコミ評・新聞】 安倍一強ぐらつく 私物化へ批判=山田明

この秋も列島各地が相次ぐ災害に見舞われた。災害多発時代にどう備えるか。政治の最重要課題であり、「国土強靭化」政策と予算の検証が求められる。

 政治が大きく揺れ動いている。「1強」とも言われた安倍政権の求心力が急激に低下してきた。1週間で重要閣僚が2人も辞める異常事態。日経11月1日社説も「相次ぐ閣僚辞任が映す長期政権の緩み」と批判する。安倍首相は任命責任を繰り返すが、国会審議の場で自席から低劣なヤジを飛ばすなど、反省が全く見られない。

 問題は閣僚辞任にとどまらない。萩生田文科相が英語民間試験について「身の丈に合わせて」と発言。この問題発言に高校生をはじめ抗議の声が広がり、試験見送りとなった。民間試験導入は安倍首相主導の教育再生会議提言にさかのぼる。

今回の入試騒動は、発端も見送りも政治判断であった。東京2日「こちら特報部」は、背景に競争促す「新自由主義」があると。大学入試、教育が安倍政権により振り回されている。受験生を悩ます共通テスト問題は、国語や数学の記述式問題に広がる。採点はベネッセの子会社。入試の肝である採点をめぐり、大学関係者などから懸念の声が続出。毎日13日社説も記述式試験「延期するしかないのでは」と指摘する。

 さらに安倍政権を直撃したのが、首相主催の桜を見る会である。8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子議員の鋭い追及により、「公的行事の私物化」疑惑が明らかにされた。野党が結束して追及チームを発足させると、マスコミも大きく報道するようになり、事態は急展開する。

 毎日13日社説は公金私物化の疑問が募ると批判。朝日も首相の私物化許されぬと問題を投げかける。「首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。」

 安倍首相への批判が高まる中で、政府は14日、桜を見る会を来年は中止と即断した。概算要求後の異例の見直しだ。政権を揺るがす事態に、これで幕引きを図るつもりのようだが、問題は来年の花見ではない。ことは安倍首相周辺の公職選挙法にも関わる疑惑である。国会での徹底した追及と、安倍首相の説明責任を求めたい。

山田明

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年11月25日号
posted by JCJ at 10:22 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする