2019年11月28日

【リレー時評】「カジノ阻止、真っ当な大坂を」高まる反対運動=清水正文(JCJ代表委員)

 いま、全国でカジノを核とした統合型リゾート(IR)を誘致する動きがおこっている。政府は9月にIRの立地区域選定に向けた基本方針を公表、国内では最大3カ所で認めるとしているが、今まで「白紙」としてきた横浜市でも市長がカジノ誘致を表明。
 先行する大阪維新の会の府・市政が万博とセットで、大阪湾の埋め立て地・夢(ゆめ)洲(しま)にIRをもってくることにやっきになっている。観光庁の調査では、ほかにも北海道、千葉市、東京都、名古屋市、和歌山県、長崎県が誘致を「予定・検討している」と回答している。
 10月に行われた時事通信の世論調査では、国内誘致について「反対」が57.9%で、「賛成」の26.6%を大きく上回った。IRをめぐっては周辺の治安悪化などを懸念する声があり、慎重な意見が根強いことが浮き彫りになった。

 大阪ではこの万博を隠れ蓑にしたIRの誘致に反対する運動が、さまざまな形で取り組まれてきたが、10月22日には大阪市中央区で、「カジノあかん!夢洲危ない!ここで万博大丈夫?」と銘打った集会が開かれ、会場は800人を超える参加者で超満員となった。
 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表の桜田照雄・阪南大教授がビデオメッセージで、大阪府市は、近く実施方針を策定して事業者の公募を開始することを狙っているとし、「カジノ推進派の最大の弱点は、問題だらけの夢洲でつくろうとしていること。危険性を府民・市民に広げ、夢洲にも日本のどこにもカジノはいらないと訴えよう」と呼びかけた。
 夢洲の危険性については、田結庄良昭・神戸大名誉教授が、南海トラフ地震で想定される被害について講演、「津波は自動車並みの高速で押し寄せ、地震動の液状化で沈下した護岸を越えて、大きな浸水被害が出る」と警告。液状化によるインフラの破壊、コンビナートタンクの損傷・火災などを挙げて、「こんな危険なところで、解決方法もないのにカジノや万博をやるのはいかがなものか」と訴えた。

 各分野からのリレートークも行われ、石田法子・元大阪弁護士会会長は、「カジノは賭博場であり、暴力団も関与。ギャンブル依存症や多重債務者も増える。そういう環境が子どもの成育に悪影響を与える」と強調した。
 小川陽太・前大阪市議は、夢洲で想定されるカジノ客1500万人のうち、外国人は2割だけで、「標的は日本人、大阪周辺の一般市民だ」と指摘、誘致のためのインフラ整備は、地下鉄中央線延伸だけで540億円に上り、「復調の兆しが見える大阪市財政を、暮らしや防災、地域経済に充てるべき。カジノを阻止してまっとうな大阪を」と発言した。
 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の新里宏二弁護士が連帯あいさつ。和歌山市・長崎市・横浜市・苫小牧市や台湾で反対運動に取り組む市民団体からもメッセージが寄せられ、大阪でのカジノ反対の大きな契機となった。
posted by JCJ at 10:24 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする