2020年02月04日

【沖縄リポート】 総工費などの試算変更 防衛省に焦り=浦島悦子

 昨年12月27日の地元紙1面トップに「新基地土砂全て県内調達」という衝撃的な見出しが躍った。防衛省がこれまで、3分の2以上を県外から運び込むとしていた辺野古新基地建設のための埋め立て土砂(岩ズリ)や、海底の軟弱地盤改良のための海砂を、沖縄県内で全量調達する方向で検討しているというのだ。
 とっさに、沖縄の山も海も滅茶苦茶に破壊される!という危機感で背筋が寒くなった。日々、土砂搬出されている本部半島の採石場は既に惨憺たる光景をさらしているし、私の住む地域でも以前から、海砂採取による海岸の浸食や、海底地形が変化し魚が獲れなくなったという嘆きの声がある。そもそも、当初、県内調達予定だった土砂や海砂が県外調達になったのは、あまりにも深刻な自然破壊の予測に県民の大反発が起こったからだった。
 それが再び県内調達に回帰するのは言語道断だが、見方を変えれば、前回報告したような、県外土砂搬出予定地の人々による「辺野古に土砂を送らない」運動の広がりや、県外土砂による外来種侵入を規制する沖縄県土砂条例の制定などが、政府を追い込んだ「成果」とも言えるだろう。
 むろん、このような無謀な計画変更を沖縄県が承認するはずもないし、土木技師の北上田毅さんも、「量的には県内調達可能だが、運搬船が狭い海域に集中して作業できないだろう」と、全量県内調達は無理だとする。
 防衛省は同時に、辺野古新基地の総工費を9300億円(5年前に示した金額の2.7倍)、工期を、計画変更に対する沖縄県の承認から12年とする試算を示した。「工費2兆5500億円、工期13年以上」とした沖縄県の試算を否定していた防衛省自らが、このような試算を出さざるを得なくなったのは、追い込まれている証拠だ。大浦湾の軟弱地盤改良は技術的に不可能との見方も多い。どこから見ても無理無謀な工事をやめないのは、一度始めた公共工事を止めるわけにいかないという面子なのか、はたまたゼネコンの圧力か…?
一触即発の中東情勢に、米軍基地と隣り合わせに暮らす沖縄県民は不安を募らせている。軍事基地は内にも外にも不幸しか生まない。新基地建設を断念する「勇気」を政府に強く求めたい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号

posted by JCJ at 16:23 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする