2020年03月05日

【月刊マスコミ評・新聞】 毎日も指摘 首相のおかしな答弁=山田明

 新型肺炎が国内外を揺るがしている。グローバル時代の感染症拡散は、中国が世界経済で大きな位置を占めていることを改めて示した。
 日本も製造業や観光業などで、中国依存が顕著だ。消費増税の影響とともに、新型肺炎拡大による景気悪化が懸念される。
 感染リスクとからめ、自民党の国会議員などから憲法を改正して「緊急事態条項」を新設すべきだという声が出ている。国民の不安を改憲の口実にするもので、不謹慎でふまじめとの声が上がる(東京2月4日)。
 国会では「桜を見る会」やIR汚職などで論戦が繰り広げられている。毎日9日社説「安倍首相の国会答弁だれが聞いてもおかしい」は、首相の繰り返す破綻した強弁が本来の国会論戦を妨げているのではないか、と指摘する。安倍首相にやましいことがなければ、調査して証拠を示せばいい。どう考えてもおかしい、首相の居直りと強弁に、マスコミ全体が問題にすべきだ。
 IR汚職が政界中枢にまで及びつつある中で、安倍政権は検察組織のトップ人事にまで介入する動きをみせた。
 朝日11日社説の検察と人権は、異例の人事膨らむ疑念と問題を投げかける。「いまや政権にモノを言えない空気が霞が関を覆い、公文書の隠蔽・改ざんなど深刻なモラルハザードを引き起こしている。ついに検察も。そんな受け止めが広がり、政治になびく風潮がさらに強まることを、憂う」。
 来月3月11日には、福島第一原発事故から10年目に入る。原発事故の周辺地域を見ると、「復興五輪」などと浮かれておれない。全国に避難している人たちに思いを寄せたい。原発賠償関西訴訟原告団は、「ふつうの暮らし 避難の権利 つかもう安心の未来」を求め、国や東電の責任を問い続けている。
 司法判断により再び運転停止に追い込まれた四国電力の伊方原発は、重大トラブルが連続している。1月25日には、3号機の核燃料プールの冷却装置が43分間にわたって停止した。あの過酷事故を思い起こさせた。
 東京2月1日「こちら特報部」は、電源喪失という重大事態でありながら、事故情報が県や地元の伊方町に伝えられただけで、住民にはすぐに知らされなかったと。今回も地元住民がおきざりにされた。
 私たちは決して3・11原発事故を忘れてはならない。
 山田明
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号


posted by JCJ at 15:49 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする