2020年03月22日

【今週の風考計】3.22─<3・11フクシマ>と東京オリンピック

◆新型コロナウイルスが世界各国に拡大し、4か月後に迫る東京オリンピックにも暗雲が広がっている。日本国民の7割が期日に「開催できない」と、世論調査に答えている。
 今から6年半前の2013年9月7日、安倍首相がIOC総会で行った、「フクシマについてはアンダーコントロールされている。東京オリンピックは安心安全」とのトンデモ演説を思い出してほしい。あらためて、そのフェイクの重大さを忘れてはならない。

◆2011年3月11日に起きた東日本大震災・福島原発爆発事故─「3・11フクシマ」からの復旧もままならないなか、嘘と金をばらまいて、無理筋で招致した東京オリンピック。先日、麻生財務相が発言した「呪われたオリンピック」も、コロナは去っても放射能は残る「3・11フクシマの逆襲」と捉えたら正解かもしれない。
◆実際に、破損した福島原発の原子炉は、今もって「アンダーコントロール」などされていない。かつ漏れ出る放射性廃水は巨大なタンクに貯蔵されたまま。満杯で収容しきれず、2022年からは福島の海から太平洋へ放出する計画だ。放射性残土を詰めた20万袋に及ぶ<フレコンバッグ>も、いまだに野ざらしになっている。

◆かつ汚染廃棄物の処理費や貯蔵費が想定以上にかさみ、2014年から年間350億円、2017年からは470億円、2020年からは700億円、それ以降も、ますます膨らむという。
 政府はその財源ねん出のため、再生可能エネルギーの普及などに使い道が限られている税金を、流用できるよう法改正に躍起だ。本来の自然エネルギー開発費を、まさに原発政策の失敗の穴埋めに充てるとは、言語道断である。
◆さらにテロ対策の新基準が導入されて以降、各地の原発は再稼働に向けた安全対策費や施設の維持費、廃炉費用がかさむ。その総額は電力11社で約13兆5千億円という。もはや原発に依存せず、再生可能エネルギーを拡大するのは、世界の流れだ。
 関西電力の汚職まみれの<原発マネー>3億6千万円の還流といい、電気料金の値上げの裏で役員報酬カット2億6千万円の補填など、信じられない退廃の源となっている「原発」、元から立たなきゃダメ。

◆それにしても福島で、7月22日、東京オリンピックのソフトボール試合が、東京での開会式に先駆けて2日も早く開かれる意味は、どこにあるのか。またも「復興神話」を広げたい安倍首相のパフォーマンス? ゴメンこうむりたい。(2020/3/22)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする