2020年04月25日

【リアル北朝鮮】 金委員長らマスクせず コロナ対策万全誇示=文聖姫

 4月15日、韓国では4年に一度の国会議員選挙が行われ、与党(共に民主党と比例政党・共に市民党)が過半数を超える大幅な議席を獲得して圧勝した。新型コロナウイルスへの文在寅政権の取り組みが評価されたことが大きい。
 前日の朝、北朝鮮は東部の江原道・文川付近から日本海に向けて、数発の飛翔体を発射した。韓国軍合同参謀本部によると、巡航ミサイルとみられる。巡航ミサイルなら、発射が確認されるのは2017年6月以来(「朝日新聞」20年4月15日付)だ。
 韓国の総選挙を意識したのかもしれない。15日は金正恩氏の祖父、故金日成主席の生誕日でもあるので、それも関連しているかもしれない。
 北朝鮮の国会にあたる最高人民会議が12日、平壌の万寿台議事堂で開かれた。当初は10日に予定されていたが、2日間延期された。延期の理由は定かではないが、代議員ではない金正恩氏は欠席した。
 主な議題は、昨年の事業報告と今年の課題、昨年と今年の国家予算審議である。再資源化法、遠隔教育法、除隊軍官生活条件保障法の三つの法律も採択された。いくつかの人事も発表された。
 北朝鮮でも新型コロナウイルス対応に国家を挙げて取り組んでいる。最高人民会議の前日に開かれた朝鮮労働党中央委員会政治局会議の第一議題は、新型コロナウイルスから国民の生命と安全を守るための対策を立てることだった。
 こちらの会議には金正恩氏も参加した。会議の報告では、最初の段階から超特別クラスの非常防疫措置を稼働させるなどして安定的な防疫態勢を維持している点、ウイルスの流入を遮断するための対策を引き続き厳格に実施する点などが指摘された(朝鮮中央通信12日報道)。
 そのおかげか、北朝鮮では「一人の感染者も発生していない」(会議報告)という。それを誇示するかのように、写真で見る限り、最高人民会議の参加者は誰一人マスクをしていなかった。
文聖姫(ジャーナリスト・博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号

posted by JCJ at 16:38 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする