


映像配信の大手、ネットフリックスの1月~3月の有料加入者数が1577万件に達した。新型コロナによって世界の主要地域での自宅待機が半ば強制状態にあるため、契約増は予想されていたが予測の2倍だった。これで全世界の契約者数は1億8286万人となった。
1~3月期の売り上げは28%増の57億6769万ドル(6340億円)、純利益は昨年同時期の2.1倍、7億906万ドル(764億円)であった。
ネトフリは契約すると映画や新作ドラマを一カ月800円から1200円、1800円の3段階で契約できる。同社は10万種類、4200万枚のDVDを保有し、さらに新作を世界各地から調達し、加入者に提供している。過去に上映された映画のリストもあるが、何と言ってもネトフリ独自の制作映画や、連続番組形式のドラマだ。
映画では「最強の二人」(2011、仏)、「ショーシャンクの空に」(1994、米)、「ゴッドファーザー」(1972、米)などの名作が並ぶ。しかし「ハウス・オブ・カード」(野望の階段)、「ストレンジャーシングス」(未知の世界)などドラマ系の連続ものがエンタメ界の話題を独占するようになった。このほか人気ジャンルに韓国ドラマや日本系のアニメも数多く放映されている。
コロナで各種の産業が萎縮状態にある中、GAFAと呼ばれる米大手IT企業はいずれも好調を維持している。 アップルは世界各地の店舗閉鎖がスマホ「iPhone One」を直撃したものの、音楽配信が好調で、売り上げ583億1300万ドル(6兆2000億円)、純利益112億4900万ドル(1兆2379億円)と発表した。
アマゾンはインターネット通販が拡大し、2割を超える増収となった。売り上げ26%増、747億5200万ドル(7兆9237億円)、純利益25億3500万ドル(2787億円)を計上した。(ただし人員増、配送のコストがかさみ、昨年同期比では29%減)。
このほかマイクロソフト、純利益107億5200万ドル(1兆1827億円)、フェイスブック49億200万ドル(5412億円)などGAFAはそろって黒字を計上している。
日本では世界に比べITビジネスが立ち遅れている。しかし、授業に取り入れられ、自宅でのテレワークが増え、有料映像サービスが普及、会議ソフトZOOMが珍重されるなど、家庭をベースにしたIT化が急速に進み、日本でも基幹産業の仲間入りをする時代がやって来るのではないか。コロナ後の社会の変化の一つを象徴していると思う。
(注ドル円換算は情報の出典によってまちまちです。目安として参考にしてください)
隅井孝雄(ジャーナリスト)

