2020年05月23日

 コロナ利用し改憲? 緊急事態で自民提案=丸山重威

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 新型コロナウイルス感染で、安倍首相は4月8日、東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に「非常事態宣言」を発令、16日これを全都道府県に拡大した。国民の行動や営業規制を伴う宣言だが、首相はこれを改憲に結びつけようと躍起。惨事を利用して、社会の仕組みや制度を変える「ショックドクトリン」が露骨に動き出している。
国会で堂々と改憲論
  安倍首相は7日の衆院議院運営委員会で「新型コロナウイルス感染症への対応も踏まえつつ、国会の憲法審査会の場で、与野党の枠を超えた活発な議論が展開されることを期待したい」と述べ、憲法審査会での改憲論議を要求した。首相は「緊急時に国家や国民がどんな役割を果たし、国難を乗り越えていくべきかを憲法にどう位置づけるかは極めて重大な課題」とし、自民党が提案している改憲4項目のうちの「緊急事態条項」を上げ、改めて意欲を見せた。
定足数や選挙で提起
 一方、自民党は憲法審査会の新藤義孝・自民党筆頭幹事が、3月19日と4月3日、山花郁夫・野党筆頭幹事(立憲民主党)らに幹事懇談会や審査会を開くよう求めた。
 新藤氏の提案は「緊急事態における国会機能の確保」をテーマに審査会で議論しようというもので、@国会議員に感染者が広がった場合、定足数を満たす方策や国会機能を確保する方策はあるかA例えば現在の衆院議員の任期は来年10月21日までだが、感染症が収束せず選挙ができず、議員不在になった場合、どう対処するか―を上げた。 当然野党は拒否。だが自民党改憲推進本部は、党関係の会議がほとんど中止されている中で4月10日、会合を開き約50人が集まった。
口火切る「維新」
 もう一つ見逃せないのは日本維新の会の動き。コロナを利用した改憲論の口火を切ったのが維新の馬場伸幸幹事長で、1月28日の衆院予算委で「コロナウイルスの感染拡大は非常に良いお手本になる」「緊急事態条項について国民の理解を深めていく努力が必要だ」と安倍首相に質問。首相は「今後想定される巨大地震や津波等に迅速に対処する観点から憲法に緊急事態をどう位置付けられるかは大いに議論すべきもの」と答えた。
 7日の安倍発言も維新の遠藤敬議員が「国が国民生活を規制するに当たっては、ある程度の強制力を担保するため緊急事態条項が必要だ」との質問への答弁で、維新は事実上「安倍改憲答弁引き出し役」になっている。
コロナ・ファッショ
  改正する必要がなかった「新型インフルエンザ特別措置法」を安倍政権があえて改正したのは、「緊急事態」をクローズアップするためだった、とも言われる中で、「緊急事態宣言」をする機会ができたいま、「コロナ感染防止」→「行動や営業など私権の制限」→「非常事態宣言」の道筋には警戒が必要だ。ナチスの独裁は「国会の停止・首相への全権委任」に始まり、日本の戦前・戦中のスローガンは「ほしがりません勝つまでは…」。これを繰り返すわけにはいかない。
丸山重威
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号

 
posted by JCJ at 12:55 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする