2020年05月25日

【柴田鉄治のメディアチェック】 検察庁法見送りは読売のスクープ でも安倍離れ≠ナはない?

 5月18日付の読売新聞の1面トップ記事を見て「スクープか」と驚いた。安倍政権べったりの読売が、検察庁法改正案の見送りを抜いたとすれば、讀賣の「安倍離れか」と思ったからだ。
 読売新聞は、80年代に政治部出身のナベツネ氏が権力を握るまでは、社会部中心の軟派の新聞だったのに、その後は政府寄りの硬派の新聞に変身したと言われている。問題の1面トップ記事には、社会部長の「政権寄りでない」解説記事が載っていたため、『先祖がえり』をしたのかと、私が思ったのも無理がない。
 というのは、1週間前に「#検察庁法の改正に抗議します」というツィッターが470万通を超えるという前代未聞の世論の高まりを、各社が大きく報じるなか、読売は1行も報じなかったのだから、この1週間の間に何かがあったとしか思えなかったからだ。
 ところが、そうではなかったようだ。安倍政権が、東京高検の検事長、黒川弘務氏を検事総長に据えるため、違法な定年延長を閣議決定してまでやったのに、その黒川氏が賭け麻雀をやっていたと週刊文春に報じられ、辞表を提出したからだ。しかも、黒川氏の賭け麻雀を文春に知らせたのも『安倍官邸』ではないかというウワサが渦巻いているのだ。
 というのは、検察庁法の改正案に特例を設ける事案は、世論の猛反対に加え、検事総長ОBや弁護士会などの反対意見書からとても無理と分かり、かといって、黒川氏の閣議決定まで取り消せば、安倍首相の責任問題に発展するので、考え出された筋書きだというのである。それで、安倍首相の責任まで、またまた、うやむやにされるのか。
 黒川氏の賭け麻雀の相手役が産経新聞の記者と朝日新聞の元記者だったとは、驚いた。それでも読売新聞の安倍政権離れが本物なら、メディアにとっては嬉しい変化だったのに、それも、ちょっとがっかりさせられた。
柴田鉄冶(ジャーナリスト)
posted by JCJ at 10:05 | 柴田鉄治のメディアチェック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする