2020年05月30日

【隅井孝雄のメディアウオッチ】 NHK「BS1スペシャル」の海外コロナ危機番組に共感

        2. ペスト仮面.jpg 
  3月以降新型コロナ関連番組がワイドショー、ニュースで数多く放送されている。取材者自身コロナウイルスを避けながらの大変な取材だと思うが、「BS1スペシャル」特に海外の様子を伝える番組に力のこもった番組が多くみられた。
「そして街から人が消えた、封鎖都市・ベネチア」(4/19,BS1スペシャル)でベネチアが都市封鎖に至った状況を見た。
 ベネチアは昨年末、50年ぶりといわれた高潮(1.8m)によって街の大半が2メートル近く海中に沈んだ(11/14)。苦難を乗り越え、街の復活を世界にみてもらおうと開いた「カーニバル」のさなか、新型コロナが襲い、3月8日都市封鎖に至った。
 番組の前半で際立ったのは「ペストの医師の仮面」(写真)をつけた人々が練り歩くパレードだった。イタリアでは14世紀にペストに襲われた際、医師が鳥の仮面をつけ、長い厚手のコートをまとい、手袋に長い杖を持って診察、長く伸びた鳥のくちばしに薬草を詰めた。歴史を語る伝統の仮面は、かつての悲劇を忘れないためだ。
 「コロナ危機、世界が苦闘した4カ月間」(5/9BS1スペシャル)では、最初の発生国中国、抑えみに成功した韓国、感染の中心地となったイタリア、シャンゼリゼに人通りが消えたフランス、異例のメルケルテレビ演説のドイツ、首相自身感染のイギリス、3月に入って感染急拡大のアメリカ、最大のロックダウン国インド、給水車を待つ南アフリカの人々・・・・。など5月に至る世界各国の状況を俯瞰した。
 「ウイルスVS人類、スペイン風邪 100年前の教訓」(5/12BS1スペシャル)は記録を紐解いていくと今の新型コロナと似通った現象に人類がほんろうされていたことが分かる。
 当時の歌人与謝野晶子は家族がインフルエンザに感染したことについて憤懣をのべた。「社会的施設に統一と徹底が欠けているので、国民はどんなに多くの避けられるべき災いを避けずにいるかしれない」。いまも100年前も変わりない事態だ。
 これらの映像や知見によって、遠く隔てた国の市民と共感し、共鳴し、ともに行動できる。また歴史をさかのぼって過去に生きた人とも共鳴しあうことができる。
隅井孝雄 (ジャーナリスト)

posted by JCJ at 13:31 | 隅井孝雄のメディアウオッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする