2020年06月17日

【スポーツ】 格差越え自主自律の再開へ=大野晃

 緊急事態宣言が全国で解除され、プロ野球が開幕するなどトップ競技が再開へ動き始めた。
 とはいえ安倍政権や小池都政などが、しゃにむに規制緩和に突っ走るのとは裏腹に、感染拡大の第2波が危惧され、無観客を前提に、感染対策徹底で、不自由な再出発を強いられている。
 五輪代表や市民スポーツも始動しているが、密室の屋内はじめ、屋外でも密集、密接の回避が原則だから、施設が利用できても、練習方法の変更が必要で、本格化の困難さを抱えている。
 とりわけ、相手と組み合う格闘技やタックルなどによる激突が特徴の団体球技は、濃厚接触の禁止で、体力や基礎鍛錬に限られ、競技間格差が広がる中での再開となった。
 競技生活が本格化する高校部活動は、春から夏への競技会が全面的に停止されたこともあり、競技の魅力を感得する機会が制限され、縮小の懸念を生んでいる。
 国民スポーツの大幅な減退を招く恐れもある。
 プロ野球開幕やサッカーJリーグ再開で、日常が戻りつつあると感じたとしても、テレビ観戦に限られては、スポーツが生活によみがえったとは思えないだろう。むしろ、より遠く感じさせるかもしれない。
 プロ競技の国民スポーツ拡大における役割を、改めて検討する必要がある。それだけに、各競技や各層の特性に合わせた試合形式や鍛錬内容の自主的な工夫や競技者の自律が、国民スポーツ復活のカギとなる。
 運動不足解消法のあれこれにとどまらず、仲間と共有するスポーツの楽しさを実感できる環境条件を、再構築しなければなるまい。
 スポーツ庁は、国民スポーツの復活に沈黙するばかり。また、マスメディアの関心も薄い。
 しかし、国民スポーツの復活がなければ、延期した東京五輪・パラリンピックを支える基盤は生まれない。
 自主、自律のスポーツ再開を後押しする国民意識が不可欠だ。
大野晃(スポーツジャーナリスト)

posted by JCJ at 10:52 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする