2020年06月26日

【焦点】 普及率低迷で 感染接触通知アプリ 無用の長物≠ノ?=橋詰雅博

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 コロナ感染防止策としてわが国が導入した感染接触通知アプリの実用が6月19日からスタートした。試行版とはいえ、不具合が続出し、使えないツール≠ノ陥っている。加藤勝信厚労相は、修正し1カ月後に完全版≠送り出すというが、どうなるやら。ところで多くの人がこのアプリを使わなければ、コロナウイルスの封じ込めに成功しない。どのくらい広がれば効果があるのかについて、英オックスフォード大学の研究では、アプリを人口の6割が使えば地域的流行を回避できるという。
 中国や韓国、台湾など政府が半ば強制的にアプリを利用させた国はともかく、日本のような利用するかは個人の判断とする国ではどのくらいの普及率なのか。普及率が高いとされるアイスランドでさえ4割程度にとどまっている。日本がモデルにしたシンガポールも3割超だ。
 シンガポールでは氏名や携帯電話番号の入力が必要で、政府に個人情報を握られるという国民の反発が強かったから普及率が伸び悩んだ。これでは役立たないとシンガポール政府はコロナ追跡端末そのものを6月中に配布する方針である。まずスマホを持たない子どもや高齢者などに配布し、最終的に全国民約570万人への配布を検討している。国民からデジタル監視やプライバシーの侵害だという声が上がり、「警察国家化の 阻 止」を訴えるネット署名が広がっている。
 普及率6割を日本に当てはめると、「LINE」利用者が約8400万人とされるので、それに匹敵する。目下、ダウンロードした人は約400万人だ。広がるかは安倍政権への信頼度が大きなポイントになるだろう。しかし、現政権への批判は根強い。森友・加計疑惑、公選法違反に問われている桜を見る会、首相が昨年の参院選で肩入れした河井前法相夫妻の買収事件など疑惑のオンパレードに加えて、コロナ禍へのおざなりな対策に国民の不満が爆発している。
 こうした事が原因でここにきて内閣支持率急落の安倍政権が提供したアプリに、いくら個人情報を守る仕組みになっているといわれても、疑いは晴れず信頼できないと、利用をためらう人は少なくないだろう。プライバシー侵害や行動制限の恐れがあり、機能が完全でないアプリが6割普及するとはとうてい思えない。安倍政権への信頼度も低く、結局、無用の長物≠ノなりかねない。もっとやるべきことは第2波や第3波に備えた医療態勢の強化ではないか。
橋詰雅博
posted by JCJ at 09:24 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする