2020年07月08日

【焦点】 トランプがコロナ感染拡大を放置する理由=橋詰雅博

 米国の新型コロナウイルス新規感染者数が6月頃からウナギ登りだ。全米50州のうち42州で増加し、近ごろは毎日4万から5万人と高い水準で推移している。にもかかわらずトランプ大統領は、ウイルスは「99%無害」とか「いつかいなくなる」「(感染拡大は)コントロールされている」などと言い放っている。ワシントン・ホスト紙は、大統領の主張は「致命的な妄想だ」と社説で切って捨てた。トランプはなぜ我関せずの姿勢を続けるのか
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)が7月4日に開いた「黒人が殺される国 アメリカの深層」をテーマにオンライン講演したジャーナリスト・矢部武さんは、その理由についてこう述べた。
 新型コロナ感染者急増や反黒人差別デモの対応がまずく、トランプは批判を浴びている。このため11月の大統領選に向けた各種世論調査の支持率は、野党・民主党候補のバイデン元副大統領に10ポイント以上差をつけられている。トランプ再選は危うい。ならばひと暴れする。
 「そこでコロナ感染拡大阻止に積極的に取り組まない。感染がどんどん広がり、感染者が今の2倍や3倍になれば、大統領選は延期や中止もあり得ます。混乱が大好きなトランプならば、それを狙っているのではないか。しかし、そうなってもホワイトハウスに居座り続けられるのは任期が切れる来年1月までですが……。大統領が不在となった場合、民主党のペロシー下院議長が代行を務めます」(矢部さん)
 また、大統領選が実施されてバイデンが勝った場合、トランプは難癖をつけて選挙無効を主張するシナリオも考えられる。彼のメイン支持者である白人をそそのかし、武装市民≠ェホワイトハウスを取り囲む可能性もある。トランプ支持の武装市民は200万から300万人いるという。
 一筋縄ではいかないトランプゆえに何を仕掛けてくるか予測不能だ。
 橋詰雅博
posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする