2020年07月14日

【スポーツ】 再開後に不安つのる=大野晃

 プロ野球が無観客で開幕した。
 パ・リーグでロッテが8連勝を記録するなど新鮮な競い合いや新戦力の活躍が注目を集めた。ホームチームが応援録音を球場に流すなどして、競技者の全力プレーを盛り上げた。
 サッカーのJリーグも無観客で再開され、家庭で映像を目にするだけでもファンの興奮を呼んだようだ。
 テレビ中継やスポーツ・マスメディアに触れる限りでは、プロ野球やJリーグ一色に近い日常が戻ったように錯覚させた。
 ところが、皮肉にも、東京を中心に新型コロナウイルスの感染確認は、自粛解除以前に逆戻りしたように急増が続き、市民生活の不安は高まった。
 安倍政権も小池都政も警戒を訴えるだけで対策を示さずに放置したから、国民の不安は募って、7月10日から観客を入れても、客足が減りかねない。
 スポーツを楽しむには、安全、安心な生活が第一だが、行政の無策は、プロ競技の発展に暗い影を落とした。練習を再開した東京五輪代表たちも見通しが立たないことで、ベテランの引退表明が相次いだ。
 甲子園を目指した高校野球の大会中止による代替試合が始まったが、感染防止対策を徹底して、球児の保護者や関係者だけが見守る寂しさだった。
 長い自宅待機が強いられ、運動不足解消に動き出したい国民が大多数となったが、草の根の市民スポーツは、どう再開するか揺れ動いている。国民に自衛を求めるだけの国や自治体の投げやりな態度は、再開された企業活動や営業だけではなく、国民の日常生活に大きな戸惑いを生んでいる。
  そこへ梅雨の豪雨災害が拡大し、熱中症拡散の恐れも重なり、再開後の不安は広がるばかりで、より一層、将来を見通せなくしている。
 プロ競技再開が生活の励ましになるどころか、競技を見て騒いでいて良いのかとファンを動揺させ、張り切っている競技者をも不安にさせた。
 国や自治体の怠慢が、混乱を長引かせたと言えそうだ。
大野晃(スポーツジャーナリスト)
posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする