2020年07月15日

【焦点】 黒人世帯の資産は白人の13分の1―ピケティ理論℃vい出す=橋詰雅博

  日本ジャーナリスト会議(JCJ)が7月4日に行った第1回オンライン講演は、「黒人が殺される国 アメリカの深層」がテーマだった。話したのは近刊『アメリカ白人が少数派になる日 「2045年問題」と新たな人種戦争』(かもがわ出版)の著者でジャーナリスト・矢部武さん。アメリカの社会、政治、経済を約40年間ウオッチしている矢部さんは、アメリカの根深い黒人差別問題などを平易に解説してくれた。
  講演の中で、白人と黒人との経済的な格差が大きいことを指摘。世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」(PRC)が2014年の国勢調査をもとにつくった調査によると、黒人世帯の所得中央値は約4万3300ドル(約465万円)、白人世帯は約7万1300ドルで、白人世帯は黒人世帯の1・6倍以上収入が多い。また、資産保有額の中央値(2013年)では、白人世帯は14万4200ドル(約1546万円)で、黒人世帯1万1200ドルの約13倍もの資産を所有していることになる。黒人世帯の保有額が圧倒的に少ないのは、黒人は長い間差別され、土地・建物を所有することや、その購入資金も借りることが禁止されていたことも関係している。ということは子どもらがもらえる相続財産があまりないのだ。
 ここで思い出したのは、高額経済本(日本では約6千円)にもかかわらず300万部売れた世界的なベストセラー『21世紀の資本』だ。著者のフランス経済学者トマ・ピケティは、こう分析した。相続財産に恵まれた富裕層は、投資によって不労所得を稼ぎ、政府の減税の恩恵を受ける、その一方では資金に余裕がない人は、いくら働いても富裕層との格差は開き、縮まらない。つまり相続財産の多寡が人生を決める。
 アメリカの白人と黒人の資産保有額の格差は、このピケティ理論≠ェピタリと当てはまる。しかし、白人が少数派になる2045年以降、白人と黒人の立場は逆転するかもしれない。
橋詰雅博
posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする