2020年07月23日

【スポーツ】 拍手で再開も不安拡大=大野晃

 プロ野球開幕に続き、サッカーJリーグも再開。大相撲7月場所が始まり、限られた観客の応援を受けながらプロ競技が正常化を目指した。大声や大騒ぎは厳禁で、拍手による応援が繰り広げられた。
  大騒ぎしないだけ、試合に見入るファンが多く、プロ競技の応援風景が様変わりした。拍手応援で、新たな競技者との一体感を模索するファンの変化は、競技者と国民の新しい関係を生み出す契機となるかもしれない。
 ところが、プロ競技の再開直後から、東京を中心とした首都圏や大阪などで、自粛要請解除前に逆戻りしたように新型コロナウイルスの感染確認が急増し、国民生活の不安は一気に拡大した。
 しかも、梅雨の豪雨で九州中心に大災害が発生し、政府や自治体は自衛を訴えるばかりで、対策が皆無に近かったから、不安はさらに広がった。
 そのうえ政府は、感染再拡大を過小評価して、観光旅行を促進し、生活不安を無視した姿勢に不満が噴出した。
 見るスポーツや旅行の再開は、さまざまな自粛要請に疲れた国民のストレス解消につながるはずだが、生活不安が募る中で、気軽に楽しめるわけがない。
 安倍政権は、感染対策や災害対策を投げ捨てて、「現実を見ずに適当に楽しめ」と強要するようなもので、国民の安心、安全第一をおざなりにした。
 安心、安全な生活があってこそ、スポーツは楽しめる。だからファンたちは、感染対策のさまざまな制約をがまんしてスタンドに足を運び、指示に従いながら、新しい楽しみ方を試していた。
 マスクを着けてのランニングなど不自由なスポーツスタイルでも受け入れてきた愛好家たちが少なくない。
 経済活動第一の行政姿勢に、裏切られたと思って不思議はない。制限付きのスポーツ再開は、行政と生活の関わりを一変させる動機ともなりそうだ。
大野晃(スポーツジャーナリスト)

posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする