2020年07月29日

【リレー時評】 「麻生全面支持」の福岡・高島市政=白垣詔男

 福岡市長・高島宗一郎(46)は、「麻生太郎氏を全面支持する市長」として知られている。市が運営する福岡市民病院には、福岡県飯塚市にある麻生一族が経営する「麻生飯塚病院」から関係者を多数受け入れているなど福岡市制と麻生の結びつきは非常に強い。福岡市長選では麻生の全面支援を受けて、2回の改選を大勝している。高島の市長選では、福岡市での「麻生の力」をまざまざと見せつけたとも言える。
 高島と麻生の具体的な結びつきの1例は―。福岡市では、7月入りやっと支給が終わったとみられる国の「特別定額給付金」(1人10万円)の事務作業をパソナに5月1日に6億8千万円で委託した。4月20日に安倍政権が支給を決めてから11日目。しかもパソナは同日、凸版印刷など8団体に2億3千万円で「再委託」する手回しの良さだった。パソナは残り4億5千万円で区役所などの相談受付補助などを受け持ち、自社管理職に7万円の日当が払われた。
 6月福岡市議会でこの件を追及した共産党市議は「福岡市はパソナに業務委託をする準備をしていたのではないか。いつまでに給付が終わるようにパソナ指示したのか」などと質問したが福岡市当局は満足な答弁ができなかった。高島は「支給は政令指定都市では一番早かった」などと事実に基づかない答弁をしてひんしゅくを買った。
 パソナは高島と親しい竹中平蔵が代表取締役会長。政府は「給付金」を電通に支給業務を丸投げ、電通はパソナなどに再委託したが、福岡市はパソナに直接委託している。
 さらに福岡市は、年度内に18歳、22歳になる市民の名簿を自衛隊に通告する暴挙を強行した。18歳は高校卒業予定者、22歳は大学卒業予定者だ。この問題は今年初めに福岡市が、コンピューターの改良を口実に、これまで自衛隊関係者が市役所で名簿から書き写していた作業を、市自らが自衛隊に便宜を図ろうとするものだ。
 市民団体などが「反対運動」を繰り広げた結果、福岡市は「自衛隊に名簿を知らせたくない適齢者は除く」と譲歩をしたようだが、「自衛隊に知らせたくない市民は名乗り上げてください」という告知は「市政だより」に1回、市のブログで短期間掲載したが、市民はほとんど知ることがなかった。市民団体が市役所で市当局に「抗議」している最中の6月5日、市は急遽、自衛隊に名簿渡しを強行している。
 この市の姿勢は、憲法に自衛隊を盛り込もうとする安倍の意をくむものであることは自明の理だ。高島市政は「ミニ安倍政権」と言われても仕方がない。
 なお、高島は市長を踏み台に国政志向が強く、自分が立候補できる選挙区を麻生に指定してくれるよう懇願しているという情報もある。高島は「安倍政権の顔色をうかがって市政を運営しており本音は自分が国会に進出することだ」と言う識者もいるほどだ。(敬称略)
白垣詔男
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年7月25日号
posted by JCJ at 01:00 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする